緊張を克服したブレイディがグランドスラム準決勝の大舞台へ [USオープン]
今年ふたつ目となるグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月31日~9月13日/ハードコート)の大会9日目は、トップハーフの男女シングルス準々決勝と男女ダブルス準決勝が行われた。
アメリカのスポーツ専門チャンネル「ESPN」で解説者を務めるクリス・エバート(アメリカ)は、会場にファンがいない今大会の落ち着いた雰囲気がジェニファー・ブレイディ(アメリカ)の成功を後押ししていると考えている。
第28シードのブレイディは第23シードのユリア・プティンセバ(カザフスタン)を6-3 6-2で下し、キャリア最大の舞台への切符を掴む勝利を記録した。
快進撃を続けているブレイディは、初のグランドスラム準々決勝の出だしにかなりナーバスになっていたと明かした。しかしスタンドに観客がいたとしたら、ブレイディの“あがり”の度合いはもっと酷かったのではないかとエバートは指摘する。
「もし歓声を上げる2万2000人のファンがいたら、彼女はもっと混乱して気を散らされていたことでしょう」と自身6度USオープンで優勝した実績を持つエバートはコメントした。
「彼女は今、自分の世界でプレーしている。彼女は自分の頭の中にだけいて、そのことが彼女のベストテニスを生み出す要因になっているのよ」
25歳のブレイディはジュニアの頃、フロリダのエバート・テニスアカデミーでトレーニングしていた。13度目のグランドスラム大会をプレーしている彼女は今、メジャー大会に初めてシード選手として参戦している。
観客がいなかったことで、緊張を克服しやすかったということにブレイディは同意した。彼女はまた、そのキャリアでランキングをゆっくりと上がっていく間に疑念に苛まれてきたのだと打ち明けた。
「とにかくやり続けることができたのは、かなり幸運だったわ。ただプレーを続け、練習して戦って上達していく。だからこそ私は今日、ここにいるのよ」と彼女は話した。
パワフルなサーブとフォアハンドを武器とするブレイディは、ここまでの5試合で24ゲームしか落としていない。
「彼女は立派に成長したわ」とエバートは感慨深げに語った。「彼女が10歳のときに、私たちは彼女をアカデミーに迎えたの。彼女は男の子のようにプレーしていたわ――いい意味でね。彼女は多くのトップスピンを使い、パワーがあり、動きもよかった。12歳のときにはもう、キックサーブを打っていたわ…。彼女は今、その本領を発揮できるようになったのよ」。
木曜日に勝てば、ブレイディはUSオープンで決勝に進出した1974年のビリー ジーン・キング(アメリカ)以来の元カレッジプレーヤーになることができる。ブレイディは2014年NCAAチャンピオンのUCLAでプレーし、ピート・サンプラス(アメリカ)の姉であるステラ・サンプラス ウェブスター氏の指導を受けていた。(APライター◎スティーブン・ワイン/構成◎テニスマガジン)
※写真はジェニファー・ブレイディ(アメリカ)
NEW YORK, NEW YORK - SEPTEMBER 08: Jennifer Brady of the United States celebrates winning during her Women's Singles quarterfinal match against Yulia Putintseva of Kazakhstan on Day Nine of the 2020 US Open at the USTA Billie Jean King National Tennis Center on September 8, 2020 in the Queens borough of New York City. (Photo by Al Bello/Getty Images)
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