17歳アニシモワが昨年覇者のハレプにストレート勝利、女子4強はグランドスラム決勝未経験者のみに [フレンチ・オープン]

 準決勝に進出した女子選手の中でもっともランキングが高いのは、8位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)だ。第8シードのバーティは準決勝で、アニシモワと対戦することになる。

 バーティは第14シードのマディソン・キーズ(アメリカ)を6-3 7-5で倒し、やはりキャリア初のグランドスラム大会ベスト4に進出した。

 準決勝に残った4人の誰もがグランドスラム大会で優勝した経験がないだけでなく、誰ひとりもが決勝に至ったことさえないのだ。

「自分が試合のコントロールを握っていると感じていた」とバーティは試合を振り返った。

 もうひとつの準決勝は、第26シードのジョハナ・コンタ(イギリス)と19歳のマルケタ・ボンドルソバ(チェコ)という顔合わせになっている。

 雨が水曜日の試合をすべて流してしまったため、本来であれば木曜日にセンターコートで順に行われるはずの女子準決勝は、金曜日の午前、2番目と3番目に大きいコートで同時にスタートすることになる。

 最大のコートであるフィリップ・シャトリエ・コートでは、ラファエル・ナダル(スペイン)対ロジャー・フェデラー(スイス)から始まる男子準決勝の会場となる。もうひとつの男子準決勝は、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)対ドミニク・ティーム(オーストリア)だ。

 ハレプは試合後、「テニスの世界で、私を驚かすことはもはや何もないわ」と言った。それでも、アニシモワの急浮上は注目に値するだろう。

 すでにグランドスラム大会で準々決勝進出した初の2000年以降生まれのテニス選手となっていた彼女は今、1990年に14歳でロラン・ギャロス準決勝に進出したジェニファー・カプリアティ(アメリカ)以降で最年少のアメリカ人女性セミファイナリストとなった。

 アニシモワとボンドルソバは、フレンチ・オープンで優勝した1997年のイバ・マヨーリ(クロアチア)以来のティーンエイジャーとなる可能性を擁している。

 フレンチ・オープンの遅いコートは、ショットごとの忍耐、ボールを何本も返し続けるための動きのよさと耐久力、ポイントを組み立てる賢さを要求する。アニシモワは間違いなく、これらすべてを備えている。大会最大のコートで元世界1位と対戦しながら、10代の彼女は驚くほど落ち着きを保っていた。

「彼女はかなり落ち着いていたわ」とハレプは認めた。ハレプはパリで2度目のタイトルを獲ろうと努めるストレスを感じていたと明かしていた。

「彼女は、よいプレー、大きな何かをやってのけることができることを今日示して見せた」

 5試合でまだ1セットも落としていないアニシモワは自信に満ちており、相手の力を利用するプレースタイルを持つ。彼女はパワーよりむしろ正確さを頼みとし、ラインの近くに立って頻繁にハレプの逆をつく、彼女自身が“努力を要さないショット”と呼んでいるものを生み出すのだ。

 そして彼女が2016年、14歳のときにフレンチ・オープン・ジュニアの部で準優勝していたことを思い返してみてほしい。

「実際、ジュニアの頃が懐かしいけど、これは新しい段階なのよ」とアニシモワは肩をすくめて言った。

「言うまでもなく、私はハレプをすごく尊敬している。でも私は、自分には多くのことをやる能力があると分かっているし、非常にいいプレーができることもわかってる。自分の力を疑ったことは決してないわ。今日はそのことが表れていた」

 勝ち獲った「18」のグランドスラム・タイトルのうち7つをロラン・ギャロスで獲得した偉人であるクリス・エバート(アメリカ)は、「17歳でありながらこれほどいいプレーをするとは、かなりすごいことだわ」と評価した。

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