ワウリンカが5セットの死闘の末、フェデラーの待つ準々決勝へ [フレンチ・オープン]

第6シードのチチパスのほうは、笑えるような状態ではなかった。チチパスは195対194と相手よりも多くのポイントを取ったこのこれ以上無理というほどの接戦の末の敗北は、試合後、彼に涙を流させ、そのようなことはもう非常に長いこと起きていなかったのだと言った。
「人生を通し、このようなことは一度も経験したことがなかった。僕は本当にがっかりしている」とチチパスは落胆を口にした。チチパスは1月のオーストラリアン・オープンでフェデラーを倒す番狂わせをやってのけ、初のグランドスラム大会準決勝に進出していた。
「感情的に対処するのが難しい。できる限りこの経験から学ぼうと努めるよ」
そのすぐあとに、どのような教訓を得たかと聞かれたチチパスは、ぼんやりと前を見つめたまま、抑揚のない口調でこう答えた。
「まったくわからない。僕の頭は、いま空っぽだ。考えることすらできない。だからわからないよ」
雲に隠されることなく太陽が輝き、気温が30度まで上がったこの日、ワウリンカと、ボレーのためダイビングした躍動的なチチパスは、ダントツでほかのどの試合よりも見ごたえあるショーを披露した。
スザンヌ・ランラン・コートの観客たちは、ワウリンカが耳に手を当てたり、腕を振ったり、ときには投げキスなどをして応援を促し扇動すると、彼に割れんばかりの声援を送った。
試合の序盤でチチパスは『いまいましいゾンビのように』プレーしていると言って、自らを非難していたものの、その電撃的でネットダッシュを交えたプレースタイルもまた、観客からのサポートを受けていた。
最終的にカギはこれだった----ワウリンカは27回あったブレークポイントのうち22回をセーブし、そのうち第5セットの8回あったブレ―クポイントでは、そのすべてを凌いでみせたのだ。
「本当にもう少しだった。もうちょっとだったんだ。あれらのブレークポイントで、僕は彼に何でも好きなことをやる余地を与えてしまった」
チチパスは言葉の合間に頻繁に休止をさしはさみながら、こう言った。
「本当に多くのブレ―クポイントがあったのに。本当に多くの…」
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