ジョコビッチ失格で新しいグランドスラム王者の誕生が確定「これで面白くなる」 [USオープン]

 事件が起こる前の数分間で、ジョコビッチの機嫌は悪くなった。彼は第1セット5-4から0-40として3つのセットポイントを迎えたが、それをフイにしたあとコートサイドの広告看板にボールを打ちつけた。

 ジョコビッチの2020年USオープン最終ゲームの2ポイント目で彼はラリー中に足をもつれさせて転び、左肩を痛めてしまった。トレーナーが彼を調べている間、プレーは数分中断された。再開後の3ポイント目でカレーニョ ブスタがジョコビッチの不用意なドロップショット切り返してブレークした直後、彼はトラブルに足を踏み入れてしまった。

 彼が大会から姿を消したということは、男子テニス界で新しいグランドスラム王者が生まれることを意味する。これで2014年に全米を制したマリン・チリッチ(クロアチア)以来、22大会ぶりに新チャンピオンが誕生することが確定した。

 ここ13回のグランドスラム大会の男子シングルスはジョコビッチが5回、ラファエル・ナダル(スペイン)が5回、ロジャー・フェデラー(スイス)は3回と「ビッグ3」がタイトルを分かち合っていたが、その記録にも終止符が打たれることになった。

「グランドスラムで新しいチャンピオンが誕生する。それが分かっている唯一のことだ。ドローの中には過去の優勝者はひとりも残っていない。これで面白くなるんじゃないかな」とズベレフはコメントした。彼はこの日、アレハンドロ・ダビドビッチ フォキナ(スペイン)を6-2 6-2 6-1で退けていた。

「今がまさに、本当に面白いことが起きる時期なんだと思うよ」

 一方でシャポバロフは、「確かにこの3人がすべての大会でタイトルを独占していた状況はある意味つまらなかったかもしれないけど、こんな形で新しいチャンピオンが誕生するのは本意ではないよ」と複雑な心境を打ち明けた。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真はアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)
NEW YORK, NEW YORK - SEPTEMBER 06: Alexander Zverev of Germany returns the ball during his Men's Singles fourth round match against Alejandro Davidovich Fokina of Spain on Day Seven of the 2020 US Open at the USTA Billie Jean King National Tennis Center on September 6, 2020 in the Queens borough of New York City. (Photo by Al Bello/Getty Images)

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