5週間のオフをとったあとのセレナ・ウイリアムズ（アメリカ）の大会復帰は、ウイルス性疾患による試合途中の棄権により、早めに幕を閉じることになった。

　アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズで開催されている「BNPパリバ・オープン」（WTAプレミア・マンダトリー／3月6～17日／賞金総額903万5428ドル／ハードコート）の女子シングルス3回戦で、第10シードのセレナは第20シードのガルビネ・ムグルッサ（スペイン）に対して瞬く間に3-0とリードを奪ったが、そこから6ゲームを連続で落として第1セットを3-6で奪われた。

「スコアだけ見ると、私がいいスタートを切ったように見えるかもしれないけれど、私は肉体的に、まったくいい感じを覚えていなかった」とセレナは大会主催者が配布した声明文の中でコメントした。

　セット間のエンドチェンジの間にセレナはトレーナーを呼び、ふたたびコートに戻って第2セットの最初のゲームを落とした。それからまもなく棄権が告げられ、セレナはコートをあとにすることになったのだ。

「試合前、あまり気分がよくなかったが、それからどんどん悪化していった。極度のめまいと、極度の疲労を感じた」とセレナは説明した。

「今は回復に気持ちを集中させ、マイアミに向け準備を始めるつもりでいるわ」

　ムグルッサは、決勝でセレナと、セレナの姉ビーナス・ウイリアムズ（アメリカ）の双方を倒したことのある唯一のプレーヤーだ。

「すごく奇妙な感じがするわ。マッチポイントを取り、いい試合をしたと感じられないから」とムグルッサは振り返った。

「ただ、次回はちゃんとプレーしましょうね、という感じだった」

　ムグルッサは、セレナが試合の出だしから非常に優勢だったことについて、相手を称えた。

「私はコート内のポジション、打ち方を、少し適応させなければならなかった。それをやるのに、数ゲームが必要だったわ」とムグルッサは言った。

「ひとたびそれをやったら、ずっと心地よくなった」

　セレナは、準々決勝で敗れた1月後半のオーストラリアン・オープン以来の大会をプレーしているところだった。

　インディアンウェルズで1回戦をBYEで免除されていたセレナは、金曜日の夜の2回戦でビクトリア・アザレンカ（ベラルーシ）を7-5 6-3で下していた。

　セレナが今大会を棄権するのは、ここ4年で2度目となる。彼女は14年間のボイコットを経て、2015年にこの大会に戻ってきた。その年、彼女は準決勝に至ったが、シモナ・ハレプ（ルーマニア）と対戦する前に棄権した。2017年は妊娠のため、欠場していた。

　第2シードのハレプは、予選勝者のカテリーナ・コズロワ（ウクライナ）を7-6(3) 7-5で倒すのに2時間近くを必要とした。

　このふたりは初対戦で、コズロワが6-5とリードして第1セット奪取まであと2ポイントと迫ったが、そこからハレプが勝負をタイブレークに持ち込んだ。ハレプはインディアンウェルズ・テニス・ガーデンに集まった大勢のルーマニアファンたちに鼓舞され、タイブレークで相手を圧倒した。

　そのほかの試合では、第6シードのエリナ・スビトリーナ（ウクライナ）、第7シードのキキ・バーテンズ（オランダ）、第12シードのアシュリー・バーティ（オーストラリア）、第18シードのワン・チャン（中国）、ワイルドカード（主催者推薦枠）で出場した18歳のビアンカ・アンドレスク（カナダ）らが3回戦を突破した。

　この日勝ち上がれなかったセレナ以外のシード選手は、第16シードのエリース・メルテンス（ベルギー）と第22シードのエレナ・オスタペンコ（ラトビア）だった。

　メルテンス（ベルギー）がワンと3時間近くの試合で6-7(4) 7-6(4) 3-6で競り負け、オスタペンコはマルケタ・ボンドルソバ（チェコ）に6-4 3-6 4-6で2時間を超える戦いの末に逆転負けを喫した。(C)AP（テニスマガジン）

※写真は3回戦で途中棄権を決めたセレナ・ウイリアムズ（アメリカ）と対戦相手のガルビネ・ムグルッサ（スペイン）
INDIAN WELLS, CALIFORNIA - MARCH 10: Serena Williams of the United States with medical staff after retiring from her match in at the start of the second set against Garbine Muguruza of Spain during their women's singles third round match on day seven of the BNP Paribas Open at the Indian Wells Tennis Garden on March 10, 2019 in Indian Wells, California. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)