19歳シンネルを「非常に素晴らしい若い才能」とナダルが称賛 [フレンチ・オープン]

今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)の男子シングルス準々決勝で、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)がノーシードから勝ち上がってきた19歳のヤニク・シンネル(イタリア)を7-6(4) 6-4 6-1で退けた。

 今大会でのナダルは、自らの記録更新となる13度目の優勝と20回目のグランドスラム制覇を目指している。もしそれが実現すれば、ロジャー・フェデラー(スイス)の持つ男子の最多記録に並ぶことになる。

 ロラン・ギャロスでのナダルの記録について際立つ実績は多々あるが、そのうちふたつを紹介しよう。彼はこの大会で98勝2敗という驚異的な戦績を残しており、準決勝と決勝では24勝0敗なのだ。

 対する世界ランク75位のシンネルにとって、これは初のグランドスラム大会準々決勝だった。

 考えてみて欲しい。ナダルは2001年、シンネルが生まれた年にプロになった。ナダルは2005年にフレンチ・オープンに初出場して大会中に19歳となり、準決勝でフェデラーを倒すなどして最初の優勝杯を手にした。

 それを最後に今大会でシンネルがやってのけるまで、初出場のロラン・ギャロスで男子シングルス準々決勝に進出することは誰もできていなかったのだ。そしてシンネルはここまでの過程で第11シードのダビド・ゴファン(ベルギー)やUSオープン準優勝者で第6シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を倒してきたことを証明するかのように、優れたフットワークとグラウンドストロークの能力をこの試合でも披露した。

「シンネルは多大なパワー、素晴らしいショットを擁する非常に若い才能だ。最初の2セットの間は大変だったよ」とナダルは賛辞を送った。「彼はすべてのボールを非常にハードに打つ。そして僕にとって、それに対応するのは困難だった。ボールは…この寒さの中でスピンがあまりかからない。だから僕にとって、彼の体勢を崩すのは難しかった」。

フレンチ・オープン2020|トーナメント表

 まだカレンダー上で『火曜日』だったとき、シンネルはナダルのフォアハンドがアウトしたことでブレークを果たして6-5とリードした。これでシンネルは、サービスゲームをキープすれば第1セット奪取という立場を手に入れたのだ。彼はそこまで、1度もブレークポイントに直面していなかった。

 しかしそのリードは、8分間の命だった。というのもナダルがすぐさま反撃し、いくつかフォアハンドのウィナーを放ってすぐさまブレークバックして6-6と追いついたからだ。ナダルは今ほど多くのトロフィーを獲得していなかった10代の頃からよくやってきたように、宙にジャンプしてこれを祝った。

 それからタイブレークを通してセットが彼の手中に落ちるのに、そう長い時間はかからなかった。シンネルのフォアハンドがアウトとなったとき、ナダルは歯を食いしばって左の拳を力強く握りしめた。

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