ガウフらが準決勝へ、セレナは100位以下の選手に8年ぶりの黒星 [トップシード・オープン]
WTAツアー公式戦の「トップシード・オープン」(WTAインターナショナル/アメリカ・ケンタッキー州レキシントン/8月10~16日/賞金総額22万5500ドル/ハードコート)の女子シングルス準々決勝で、第1シードのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したシェルビー・ロジャーズ(アメリカ)に6-1 4-6 6-7(5)で競り負け、8年ぶりに100位以下の選手に対する黒星を喫した。
セレナはプロとしてツアーレベルで967回目のシングルスをプレーしたが、トップ100圏外の選手に負けたのはわずか4度目だった。
第3セットのタイブレークでロジャーズは一時1-3と劣勢に立たされていたが、最後の8ポイントのうち6つをものにして勝利をもぎ取った。彼女は世界ランク116位で、トップ10に勝ったのはキャリアを通してこれが3度目に過ぎない。
「もっともっと、ずっといいプレーができるということを知るのはいいことよ」とセレナはコメントした。彼女はすぐにそうしたいと思っているだろう。今年ふたつ目となるグランドスラム大会であるUSオープンは、8月31日に開幕する。
27歳のロジャーズがWTAツアーで準決勝に進出したのは、2016年以来のこととなる。
元世界1位のセレナが以前にこのような敗退したのはいつだったかを見つけるには、記録書をより一層遡らなければならない。23度グランドスラム大会を制したセレナがこれほどランキングが低い選手に負けたのは、111位のビルジニー・ラザノ(フランス)に不覚をとった2012年フレンチ・オープン以来のことだった。
2012年のその敗戦の少しあとに、セレナはパトリック・ムラトグルー氏とチームを組んだ。ムラトグルー氏は今でも彼女のコーチとして一緒に働いており、この日スタンドにいた数少ない人物のひとりだった。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが起こってからアメリカでは初となるこの大会で、観客は入場を許されてはいなかったのだ。
このようなことが以前に起こったのは、セレナが14歳でプロとしてデビューした1995年のケベックシティでの予選を含めて3回しかなかった。現在はセレナが38歳で、ロジャーズは27歳だ。
「このようなことをやってのけるというのは、彼女のプレーを見ながら育ったすべての子供たちの夢よ」とロジャーズは語った。「奇妙な環境、奇妙な状況で行われたけれど、勝利は勝利よ。私たちは皆、プレーに戻ることが出来てうれしく思っているわ」。
ロジャーズに対する敗戦は、今大会でのセレナにとって3度目のフルセットマッチだった。彼女は1回戦でベルナルダ・ペラ(アメリカ)、2回戦で姉のビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)に挽回勝ちする前に、いずれの試合でも第1セットを落としていた。
雨による2時間以上の遅延のあとに始まったこの準々決勝で、セレナは順調に勝利に向かっているように見えていた。彼女は第1セットを簡単に取り、第2セット4-5の場面まで1度もブレークポイントに直面していなかった。
しかし、流れが変わったのはそのときだった。
南カリフォルニア出身のロジャーズは3つのブレークポイントを手にし、――そのすべてがセットポイントだった――3度目のチャンスでセレナがフォアハンドをネットにかけた。
第3セットでは一度もブレークがなく、タイブレークの序盤でセレナはリードを奪った。しかし彼女は試合を終わらせたバックハンドリターンのアウトを含め、自らの一連のミスですべてを帳消しにしてしまった。
「私はアンフォーストエラーを量産してしまい、自分で自分の首を絞めてしまったわ」とセレナは振り返った。
ソーシャルディスタンスの規則のため、プレーヤーは試合後の挨拶の握手のためにネット際で対面することはなかった。それぞれサイドラインのベンチに向かいながら、セレナはただ微笑んだ。ロジャーズは椅子に座り、素早く拳を振っただけだった。
金星を挙げたシェルビー・ロジャーズ(アメリカ)(Getty Images)
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