セレナを罰したカルロス・ラモスがデビスカップ準決勝「クロアチア対アメリカ」の審判に

 USオープン女子シングルス決勝で主審を務め、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)に罰を与えたカルロス・ラモスが、デビスカップ・ワールドグループ準決勝「クロアチア対アメリカ」(9月14~16日/クロアチア・ザダル/クレーコート)の担当に任命された。

 国際テニス連盟(ITF)のスポークスマンであるヘザー・ボウルズ氏は火曜日、ラモスがクロアチア対アメリカの国別対抗戦の主審に選ばれたことを認めた。

 アメリカ・チームは、ジャック・ソック、サム・クエリー、スティーブ・ジョンソン、マイク・ブライアン、若手のフランシス・ティアフォーというメンバーになっている。

 ラモスは先の土曜日、日本の大坂なおみ(日清食品)がグランドスラム優勝歴23回のセレナを6-2 6-4で倒し、初のグランドスラム・タイトルを勝ち獲った際に主審を務めた。

 この試合は、セレナがラモスの警告の判定について激しく執拗に抗議したあとカオスに陥り、最後には何千と言う観客がブーイングし、表彰式で双方の選手が泣くという事態になった。

 36歳のセレナは試合翌日、3つのコード・バイオレーションのため、USオープンの大会レフェリーから総計1万7000ドルの罰金を言い渡されていた。

 月曜日、デビスカップの運営も管轄しているITFは声明文を発し、その中で、「(ラモスの)決断は、規則に合致するもの」であり、彼の判定の正当性は、「3つの違反行為でセレナ・ウイリアムズに罰金を科したUSオープンの決断によって、再確認された」と言って、ラモスを弁護していた。

「ラモスは、規則に則って審判としての職務を果たし、常にプロらしく、高潔にふるまっていた」とITFは言い添えた。

 ITFのラモスに対するサポートは、女子ツアーの運営団体であるWTAが、ニューヨークでの彼とセレナの間のやりとりに批判的姿勢を示したあとに発せられた。

「WTAは、選手が試合中に見せる感情表現をどの程度受け入れるかの基準について、男性と女性で違いがあるべきではない、と考えている。すべての選手が平等な扱いを受けられるよう尽力し続けることを約束する」とWTAツアーのCEOスティーブ・サイモン氏は声明文の中で述べた。

「我々は昨夜、これがなされたとは思っていない」

 セレナは、先のUSオープン決勝の間に、ラモスにより3度、規則への違反行為に対するペナルティを与えられた。まずはコーチからシグナルを受け取ったため、次にラケットを叩き折ったため、そしてラモス審判を『泥棒』と呼んだためで、3度目のコードバイオレーションで、彼女は規則通り、罰として1ゲームをはく奪されることになった。

 一方、ラモスは母国ポルトガルの新聞『トリブーナ・エクスプレッソ』に、「私は大丈夫です。デリケートな状況ですが、『ア・ラ・カルト』(好みによって選ぶ、の意)の判定というのは存在しません。私のことを心配するには及びません」とコメントしている。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はUSオープン女子シングルス決勝で主審を務めたカルロス・ラモス(右)とセレナ・ウイリアムズ(アメリカ/左下)
NEW YORK, NY - SEPTEMBER 08: Serena Williams of the United States discusses a coaching violation warning given by umpire Carlos Ramos during her Women's Singles finals match against Naomi Osaka of Japan on Day Thirteen of the 2018 US Open at the USTA Billie Jean King National Tennis Center on September 8, 2018 in the Flushing neighborhood of the Queens borough of New York City. (Photo by Elsa/Getty Images)

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