ウインブルドンに戻ったセレナ、赤ん坊やその他のことについておしゃべり


 セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は娘をセンターコートに連れて行ったとき、胸がいっぱいになったと言う。

 彼女は母になって初となるウインブルドンに戻って来るにあたり、自分にシードを与えたオールイングランド・クラブの決断に感謝の意を表した。

 彼女は、ほかの女性たちに、授乳では体重は減らないことを知ってもらいたがっている。

 また、ほかの選手より頻繁に薬物テストを受けなければいけないことについて、アンフェアだと考えている。

 彼女は、故障のため1週間、サービス練習をせずに過ごしたそうだ。

 さらに彼女は、自分のことを三人称で表現しさえした。

 要は言い換えると、彼女は大会前の記者会見でおしゃべりをしたいムードだった。彼女の会見は、結婚した友人の元メーガン・マークルとともに、ヘンリー王子がポロをプレーするのを見に行くことができるようにと1日延期されていた。

 7度のウインブルドンを含む「23」のグランドスラム・タイトルを持ち、ここ17ヵ月で7試合しかプレーしていない36歳のセレナから、何を期待していいのかは誰にもわからない。ただ、月曜日に1番コートで行われたアランチャ・ラス(オランダ)に対する7-5 6-3での勝利は、対マリア・シャラポワ(ロシア)のフレンチ・オープン4回戦を前に、胸筋の故障で棄権したとき以来の公式戦への帰還だった。

「闘志というものを一度でも失ったことがあるかわからない。実際、多くのことを潜り抜けたがゆえに、それがいっそう強くなったように感じている」と彼女は言った。

「そのことには自分でも少し驚いたわ。というのも、違ったふうになるだろうと思っていたから。私はこう思っていたのーー『私はこの素晴らしい子供を授かった。すべてのグランドスラム・タイトルを勝ち獲った。これはすべて素晴らしいボーナスよ』。もちろん、そうではある。間違いなくここで感じているプレッシャーレベルは、以前よりずっと低いわ」とセレナは続けた。

「でも、自分がそのプレッシャーをほとんど欲しているかのようであるということに、私はショックを受けた。私は、そこに出ていって、可能な限り最高のプレーをする『必要性』を感じたがっている。ちょっと奇妙だわ。アスリートとしての自分と、セレナという人間の本質に訴えかけることなのだと思う」

 大会初日は、ウインブルドンで9度目のタイトルを目指すロジャー・フェデラー(スイス)のほか、セレナの姉ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)、カロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)、スローン・スティーブンス(アメリカ)、ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、スベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)、スタン・ワウリンカ(スイス)、マリン・チリッチ(クロアチア)などのグランドスラム・チャンピオンたちがプレーした。その中でスティーブンスはドナ・べキッチ(クロアチア)に1-6 3-6で、クズネツォワはバーボラ・ストリコバ(チェコ)に6-7(8) 5-7で敗れた以外は、それぞれ2回戦に勝ち進んだ。

 日曜日には、1月に腰の手術を受けていた元ウインブルドン・チャンピオンのアンディ・マレー(イギリス)の出場取り消しが起きた。マレーは地元の人々からの多くの期待を浴び、常に注目の的となってきた。彼は2013年、77年間待ちわびられたイギリス人チャンピオンとなっていた。

 セレナは現役生活を続ける限り、注目を集め続けることだろう。

 彼女がツアーに戻ってきたことを喜ぶ者の中には、フェデラーもいる。

「彼女がテニスから去らないことをうれしく思う。彼女は引退を決めても、まったく問題ないはずだった。あれだけ多くのことをやってのけたあとだけに、『もう十分やった』と言って退く、完璧な言い訳となりえたはずだ。でも彼女はそうしなかった」と、二組の双子の父であるフェデラーは言った。

「今回、赤ん坊とともに素晴らしいカムバックに挑戦する彼女を見ることに、わくわくしている。それは違う人生だ。彼女にとって非常に大きなチャレンジだろうが、彼女にはその挑戦に挑む準備ができていると確信している」

 2015年と2016年にウインブルドンで優勝しているセレナは、オールイングランド・クラブでのここ15試合に勝っている。加えて彼女は、2002年、2003年、2009年、2010年、2012年にも優勝を遂げていた。この成功は、オールイングランド・クラブが183位までランキングを落とした彼女に第25シードを与える道を選んだとき、間違いなく考慮に入れられていた。

「うれしい驚きだったわ」とセレナは言った。

「シードは得られないだろうと思いながらここにやって来たの。ウインブルドンが独自の(シードの)決め方をすることは知っている。それが、彼らがほかと一線を画す存在にしていることのひとつよね。だから、(シードを得る)チャンスはある、ということは頭の片隅にはあったわ」

 彼女はまた、今大会までにグランドスラム大会の試合で10連勝していた。うち7連勝は2017年オーストラリアン・オープン優勝時のもので、そのほかの3連勝は、今年6月にフレンチ・オープンで棄権する前に挙げたものだった。

「正直、あれにはすごくがっかりした。ものすごく落ち込んだわ」とセレナは故障についてコメントした。

「実際、ここに来るまでサービスは打っていなかったの。いまだに時速120マイル(約時速193km)やそれくらいで打つべきかどうか自問しているわ。今のところまだやっていないけど。でも、ここまでのところはいい感じよ。あまり打ち過ぎないほうが、いいサービスを打てると感じている。まったく奇妙なことではあるけれどね」(C)AP(テニスマガジン)

※写真はセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)
LONDON, ENG - JULY 02: SERENA WILLIAMS (USA) during day one match of the 2018 Wimbledon on July 2, 2018, at All England Lawn Tennis and Croquet Club in London,England. (Photo by Chaz Niell/Icon Sportswire via Getty Images)

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