出産後のウインブルドン帰還となるセレナ・ウイリアムズが第25シードに
今年3大会目のグランドスラム「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月2~15日/グラスコート)の男女シングルスのシード選手が水曜日に発表された。
セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は、出産後初のウインブルドンに、第25シードで出場することになった。オールイングランド・クラブは、ウインブルドンで7度優勝しているセレナを、現ランキング183位より高く位置づける意図を発表した。
WTAの規則は、出産によってツアーを離れていた女子選手が、休止前のランキングで大会に入ることを許していたが、シード付けに関する保証は何もない。セレナのステータスゆえに、シードに関するポリシーはここ数ヵ月、論議のテーマとなっていた。36歳のセレナは、昨年9月に娘を出産し、1年以上ツアーから離れていた。
セレナをトップ32位内に動かすことで、オールイングランド・クラブは、最初の2ラウンドで他のシードプレーヤーと当たる可能性から彼女を守り、そしてもちろん、他のシード選手が早い段階でセレナと当たることを避けることができるようにしたことになる。
元世界1位であり、セレナが獲得したグランドスラム・タイトル数「23」は、1968年に始まったプロ化以降の時代における最多記録だ。彼女は昨年のウインブルドンを欠場したが、2015年と2016年、出場した過去2回では優勝していた。
第25シードにセレナを入れることにより、彼女が第1シードから第8シードの選手と3回戦で対戦することになる。
ウインブルドンのドロー抽選は金曜日に行われ、大会は月曜日からスタートする。
ウインブルドンや他のグランドスラム大会は、シードを決める際に、厳密にWTAとATPランキングに従うやり方から外れる自由を擁している。だからこそ、たとえばウインブルドンで8回優勝しているロジャー・フェデラー(スイス)のグラスコートでの成功が考慮され、オールイングランド・クラブが彼にランキングより一段高い第1シードを与え、現世界1位のラファエル・ナダル(スペイン)が第2シードとなる、ということも起きるのだ。
5月にセレナが、彼女にとって16ヵ月ぶりのグランドスラム大会だったフレンチ・オープンに出場したとき、彼女はフランス・テニス連盟によってシードを与えられなかった。彼女は結局、4回戦に至る過程で11位の選手と17位の選手を倒している。しかしセレナは、胸部の筋肉の故障のため、グランドスラム大会優勝歴5回のマリア・シャラポワ(ロシア)に対するビッグマッチになるはずだった4回戦を前に、棄権することを余儀なくされた。
全米テニス協会(USTA)は、8月のUSオープンでセレナにシードを与えることを検討していると明かした。ニューヨーク・タイムスによれば、これは、妊娠が選手のランキングに影響を与えた場合、それを考慮に入れるという新しいプランの一環であるという。
「妊娠が、選手を不利な立場に追いやることはないでしょう」とUSTAのスポークスマンを務めるクリス・ウィドマイアー氏はコメントした。
「もしセレナ・ウイリアムズが2018年USオープンにエントリーするなら、USTAは彼女のこれまでの功績を認め、彼女の職場復帰を認め、彼女のランキングがなんであろうとシードを与えるでしょう」
オールイングランド・クラブでセレナがシードを得たことの影響がひとつある。2014年オーストラリアン・オープン準優勝者で、ウインブルドンで2度準々決勝に至っている世界32位のドミニカ・チブルコバ(スロバキア)がシードの恩恵に授かれず、1回戦でどの選手と当たるやもしれなくなった、ということだ。
「正しいことじゃないと思うわ」とチブルコバは水曜日のシード発表に先立ち、イギリスのテレビBBCにコメントしていた。「(もしそうなったら)フェアなことではないと私は思う」。
ノーシードの女子プレーヤーが、ウインブルドンのシングルスで優勝した前例はない。オールイングランド・クラブでトロフィを掲げたノーシードの男子選手は2人いる。それは1985年のボリス・ベッカー(ドイツ)と、2001年のゴラン・イバニセビッチ(クロアチア)だ。
セレナの場合を除き、女子のシード順位はランキング通りとなっている。従って、フレンチ・オープン女王のシモナ・ハレプ(ルーマニア)が第1シードとなり、オーストラリアン・オープン優勝者のカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)が第2シード、前年覇者のガルビネ・ムグルッサ(スペイン)が第3シード、USオープン・チャンピオンのスローン・スティーブンス(アメリカ)は第4シードとなっている。
なお、元世界1位で2004年に大会を制したシャラポワは、第24シードにつけている。
男子のドローでは、フェデラーとナダルのあとに、2017年準優勝のマリン・チリッチ(クロアチア)、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、フアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)が続いている。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はセレナ・ウイリアムズ(アメリカ/右)とコーチのパトリック・ムラトグルー(左)
LONDON, ENGLAND - JUNE 28: Coach Patrick Mouratoglou watches as Serena Williams of the United States practices on court during training for the Wimbledon Lawn Tennis Championships at the All England Lawn Tennis and Croquet Club at Wimbledon on June 28, 2018 in London, England. (Photo by Matthew Stockman/Getty Images)
Pick up
-
2024-12-12
サービス第二弾!テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)12月25日(水) 書籍&電子書籍同時発売
テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)20
-
2024-12-12
テニスマガジン今後の予定(部活および新刊情報)
CHECK1テニスマガジンONLINEテニス界の最新情報を毎
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Pick up
-
2024-12-12
サービス第二弾!テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)12月25日(水) 書籍&電子書籍同時発売
テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)20
-
2024-12-12
テニスマガジン今後の予定(部活および新刊情報)
CHECK1テニスマガジンONLINEテニス界の最新情報を毎
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『