コロナ危機に瀕するアメリカ大学テニスの苦悩

大学テニスの保証を受けて、アビマニュ・バネメレディ(インド)は彼の実家のあるインドからアメリカに移住してサウスカロライナ州のウィンスロップ大学に進学した。現在の彼は家族から何千マイルも離れたところから、自分の将来について考えているところだ。財政的な現実が、彼のスポーツにのしかかってきたのだ。

 ウィンスロップ大学は先月、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる予算不足のために男子と女子のテニスプログラムを打ち切ると発表していた。大学が経費削減のために運動部の活動費について検討している状況下で、テニスはもっとも大きな打撃を受けた。

「間違いなく、不意を突かれて驚きました」とバネメレディはコメントした。「プログラムの打ち切りについて、事前の警告や噂などはありませんでした。あるときにランダムに呼び出され、唐突にその事実を知りました」。

 全米では現在、数十人の学生テニス選手が同じような状況に置かれている。AP通信の調査によると、パンデミックが始まってから4つ以上のディビジョン1の大学で打ち切られた競技は男女のテニスだけだ。

 東カロライナ大学、北コロラド大学、南ユタ大学、ライト州立大学は、ここ3ヵ月の間に男女のテニスプログラムを打ち切った。またウィスコンシン大学グリーンベイ校が無期限で男女のテニスプログラムを中断し、アーカンソー大学パインブラフ校は1年間の活動停止を決めた。アパラチア州立大学が男子テニスを、アクロン大学は女子テニスを廃止した。コネチカット大学は2020~21年シーズンのあと、男子テニスがなくなることになった。

「私が調べた限りでは、これらの削減のいくつかは作業中のものだった」と大学テニスの運営機関である大学テニス協会の最高経営責任者(CEO)であるティモシー・ラッセル氏は語った。「削減があるときは通常、激しい非難の声が上がるはずだ。今のような状況では雑音が大きく、誰もがそれほど注意を払わない中で断行することが可能となってしまう」。

 ディビジョン1の大学では2019年現在、女子の約89%と男子の71.5%にテニスプログラムがあった。しかしここ最近の動きで心配の声が大きくなり、当局に解決策を模索するよう求める気運が高まった。

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