マッケンローが考える術後のフェデラーの可能性
テニス名誉の殿堂のメンバーであるジョン・マッケンロー(アメリカ)は、最近膝の手術を受けた38歳のロジャー・フェデラー(スイス)の“エリート・レベルでの最後”を我々がすでに目にしたと思っていない。
先月、フェデラーは手術からの回復期間にあたるフレンチ・オープンと、少なくとも他の3大会に出場できない旨を発表した。彼は6月後半のウインブルドンで戻ってくるつもりであることをほのめかしている。
フェデラーは誰よりも長い期間に渡って世界ランク1位の座に就き、男子では最多となる「20」のグランドスラム・タイトルを保持している。現在はノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ドミニク・ティーム(オーストリア)に次ぐ世界4位だ。
9月にマサチューセッツ州ボストンのTDガーデンで行われる第4回レーバーカップのプロモーションのため、マッケンローは火曜日にボストンを訪れていた。そこでマッケンローは、38歳で変わらずプレーし続けているフェデラーを目にしていると、ボストンにいるもうひとりの圧倒的アスリートを思い出すと語った。
「それは、トム・ブレイディ(42歳のアメフト選手)だよ。彼に同じ質問をしているような感じだ。まったく同じことだよ」とマッケンローはコメントした。「どうやってやり続けているのか、が彼らの歳では最初の問いだろう。まったく途轍もないことじゃないか? 一体全体あの男たちはどうやって、あの年齢でああも高いレベルでプレーができるのか?」
「僕がトム・ブレイディを見るのが大好きなのは、彼が自分の周りにいる選手によりよいプレーをさせる男だからだ。でもテニスではたったひとりであり、テニスコート上で消耗がある中で、38歳、いや39歳になろうとしているというのは本当に厳しい。彼がここまでプレーできているということ自体がすでに驚くべきことだ」
2016年ウインブルドンでミロシュ・ラオニッチ(カナダ)がフェデラーを倒したときに、マッケンローはラオニッチのコーチを務めていた。ラオニッチがグランドスラム大会でフェデラーに勝ったのは、それが最初で最後のことだ。
「そのときロジャーは足を引きずってコートから出ていき、そのあと6ヵ月間はプレーしなかった。そのとき私は、ああここまでかなと思ったものだ」とマッケンローは明かした。「それは4年前のことだ。そして彼は、その6ヵ月の休止のあとに戻ってきた。その翌年、2017年に3つの5セットマッチに勝ってオーストラリアン・オープンで優勝した。それだけで事実上、前代未聞のことだったが、彼はその後のウインブルドンでも勝ち、手術後に総じて3つのグランドスラム大会で優勝したんだ。だから、彼にはもう無理と考えることは決してできないよ」。
フェデラーが保有するマネージメント会社「TEAM8」は、レーバー・カップ創設に尽力した。彼はヨーロッパのトップ選手6人によるチームと、世界の他の地域のトップ選手6人によるチームを対戦させるこの大会の最初の3大会でプレーしている。
マッケンローと彼の元ライバルであるビヨン・ボルグ(スウェーデン)は、プラハ(2017年)、シカゴ(2018年)、ジュネーブ(2019年)で行われた最初の3大会で、チーム・ワールドとチーム・ヨーロッパの監督を務めた。
彼らはボストンで9月25日から27日に行われる第4回大会で、ふたたび同じ役目を請け負うことになった。レーバー・カップは今や、ATPの公式カレンダーに含まれている。
監督としてのボルグとの最近の対決は、彼らがツアー選手だったとき同様に激しいものだったとマッケンローは言った。
「この勝負には多くのプライドとお金が懸かっているんだよ」
(APライター◎カイル・ハイタワー/構成◎テニスマガジン)
※写真は9月にボストンで行われるレーバー・カップのプロモーション・イベントに登場したジョン・マッケンロー(アメリカ)。会場のTDガーデンで撮影
BOSTON, MA - MARCH 3: Former tennis player John McEnroe poses for a photo outside of TD Garden in promotion of Laver Cup Boston 2020 on March 3, 2020 in Boston, Massachusetts. (Photo by Adam Glanzman/Getty Images for The Laver Cup)
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