2年後の“世界”を目指せ!30代からのシニア強化プログラム開始|Team@tenimaga 豪華講師陣からアドバイス
2021年に関西全域(さらに近県も含む)で開催される4年に一度のスポーツの祭典「ワールドマスターズ(第10回大会)」を一つの目標に、テニマガ人気講師陣が総力を挙げてシニアテニスプレーヤーのためにプログラムを提供。いっしょに心技体を鍛え、2年後の自分がどう変わっていくか楽しみませんか!まずは講師陣の紹介とアドバイスを一言ずつ。【2019年4月号掲載記事】
隊長|竹内映二(コーチ / 竹内庭球研究所)
「テニスに対する信念を、 好奇心を大切に」
長くテニスに携わってきて思うことは、未来永劫続くものはないんだな、ということです。健康しかり。若い頃は健康そのもの、でも今は不健康。プロもしかり。プロは今が旬ですが、いつか引退します。今は契約先があり、試合に勝って賞金をもらえますが、いつか契約が切れて、試合で勝てなくなって賞金がもらえなくなります。一生続くものって、ないものだなと思います。
だから、手に入れたいものがあるなら、それは自分でつかみにいかないといけません。他人がくれるのを待っていてもくれないかもしれません。他人に依存するのではなく、自分の中から取りにいくのです。テニスをやりたいなら、とことん自分からやるのです。既成概念にとらわれたりせず、自分から求めていき、研究していく。そうすると見えてくるものがあって、違うものが見えてきたりもします。これは僕の経験です。
今は選べる時代になりました。昭和の時代に現役選手としてプレーした僕は、あの頃、テニスの情報などなく、テニスの指導者もいなくて、むさぼるようにテニス雑誌を読みました。でも今は情報がネット上に氾濫していて、何が本当か嘘かがわからなくなってきています。その中でみなさんは、“本当”はどれか、“いいもの”はどれか、選ばなければならないのです。
その選ぶときに、自分に確かな歩みや考えがないと惑わされてしまうかもしれません。そうあってほしくないので、テニスに対する信念を持ってください。言い方は悪いですが、ちょっと疑う気持ちも必要。これでいいのか、と一度思い、それから選びましょう。
それと、好奇心は大切にしてください。子供の頃、潮の満ち引きや月の満ち欠けを、なぜだろう、なぜかしらと思って見ていました。その不思議が解けたときの楽しさは、心の原点です。あのとき揺さぶられた好奇心が、僕は今もテニスコートで続いています。ずっと続いていて、だから研究するし、答えが見えたときが楽しいし、心に響いたことは忘れません。
昭和の時代には(もしかすると今もそうかもしれませんが)、習い慣れていない人が習うとことが楽しかったものでした。でも今は、なりたい自分になるのが楽しい時代です。変化に対応していくより、自分が変化を起こすほうが楽しい時代です。ということは、テニスのゲームは他人に翻弄されていたらつまらないです。自分のプランでゲームを進めてこそ楽しいもの。だから、自分から行動を起こさないといけません。さあ、みなさんは自分から求めていかないと!テニスと人生は同じです。
副隊長|堀内昌一(コーチ / 亜細亜大学テニス部監督 / 写真右)
「“世界”は別次元ではなく、すでに僕らは世界の中にいる」
みなさんに伝えたいことが2つあります。
僕は高校生のときにテニスを始めました。そのとき、“世界”は別次元のものだと思っていて、テレビ(ほんの数十分の放送です)や雑誌で見るものが世界だと思っていました。でも今は、自分は、世界の中の一つのパーツだと思います。みなさんもまったく同じです。世界の中の一つのパーツと気づき、取り組んでいくと、目指すものは一つであることがわかります。
それを知るだけでも楽しいと思いますが、もっと面白いことがテニスにはあります。テニスは、知らない人と対戦し、知らないテニスと戦って、向上していくときが楽しいのです。新しい舞台へ出かけましょう。向かい合った相手とどのように戦おうかと考え、持てる力を尽くして戦っていく、その挑戦を私たちとやってみましょう。みなさんはもう「世界」の中にいますよ。マスターズゲームズ出場という冒険をいっしょに楽しみましょう。
テニマガ・テニス部部長|鈴木貴男(選手、コーチ / Team REC / 写真左)
「世界大会を戦う準備を、僕がアドバイスします」
僕はテニマガ・テニス部の部長で、2011年の創部から部員のみなさん(現在3000人近く登録)に関わってきました。今回ワールドマスターズという「世界大会」が日本にやって来るということで、それに誰もが出場できるということで、部長命令で、全員出場!(できないか、笑)。
まったく知らない人とプレーできる、海外の人とテニスを通じて触れ合える、そういう経験を僕は多くの方にしてほしいと思います。テニスプレーヤーだからこそのチャンス。僕はそこに向けてアドバイスできることがたくさんあります。強い相手と渡り合うことを想定したら、ワンパターンなプレーでは勝てません。サービス一つとっても、球種を増やし、回転量をコントールして緩急をつけ、ボールの落下地点を変え…2年先に大きな目標を置いて、部活開始!
コーチ(テニス指導)部門
駒田政史 (コーチ / 竹内庭球研究所)
「知ればできる! 実はできる! あなたの理想のプレー」
多くの人は自分の能力を過小評価しすぎだと思います。本当はもっとうまくプレーすることができたり、もっと上達することができます。キーポイントは、正しい情報を知り、理解すること。そして挑戦を楽しむことではないでしょうか。
ワールドマスターズまでの2年間、自分をより高いレベルへ引き上げる挑戦をテニスマガジンといっしょに楽しんでみませんか。僕は、「より少ないエネルギーで大きなエネルギーを生む」「より正確にコントロールすることで、攻撃的なプレーを目指す」「経験値を生かした強いメンタルで自分をコントロールする」こんな指導をしていきたいと考えています。
丸山淳一 (コーチ / 森田あゆみプロ、内藤祐希プロ、早稲田大学庭球部コーチ)
「プロも一般も、年齢も関係なく、 同じ“テニス”を指導します」
私はみなさんのテニスのベースを大きくしてあげたいと思っています。それはコーチとして、相手がプロであるとか一般であるとか、年齢がどうだとか関係なく、それが私の信念です。長くテニスを続けると自然とうまくなっていく、そういうテニスを身につけてほしいです。
もし今、弱点があるなら、その弱点はどうすればよいでしょう。変えるべきかどうか。変えるならいつ変えるべきか。私の答えは、いま変えるべきということです。少しでも早く正しい技術を身につけたほうが、その技術で長くテニスを楽しむことができます。正しい技術を身につけることがベースを大きくし、いつかそのベースを持たない人たちを追い抜ける日がくるのです!マスターズゲームズに向けて、今すぐ練習開始です!
森 稔詞 (コーチ /亜細亜大学テニス部)
「元競技選手なら誰もが夢見た “世界”を、いま目指せ!」
テニスに真剣に取り組んだ人なら誰もが一度は夢見た「世界!」が、この日本にやって来ます。「あのときトライすればよかった…」と思っていた元競技選手もいるでしょう。その夢を実現するチャンスがそこにあります。
目指すなら、あの頃のようにもう一度真剣に準備しましょう。大人になって、頭でテニスを考えるようになると「えっ? そうだったの?」ということがたくさんあるということをよく聞きます。わかる今だからこそ、やったらいい! 「昔つかめなかったテクニックを今度こそ」「これさえよかったら…を武器に」と僕は言いたいです。
高田充 (コーチ / ナショナルチーム男子ヘッドコーチ)
「プレーする楽しさを、 世界の舞台を目指して!」
しばらく試合をしていないという方ーーまずはどこかのトーナメントに出場してみましょう。区民大会、市民大会、スクール大会などあると思います。試合をすると今の自分の課題が明確になり、そこから練習を始めるといいでしょう。次に、すでに大会に出場している方—―具体的な目標設定をしましょう。ワールドマスターズもその一つに、2年間の計画を立ててください。
ジュニアや学生時代にテニスをしていた方—―みなさんはある程度「基本」を持っています。例えば僕がいま学生時代の友人たちとテニスをすると、彼らの技術力の高さに驚かされます。持っているのです。テニスの世界には様々なプレーヤーがいて、その人たちと交流できる機会がワールドマスターズ。夢が広がりますね。プレーする楽しさを、世界の舞台を目指して!
ポール・ファイン (上級コーチ / テニスライター)
「私もシニアプレーヤー、上達するためのヒントを紹介します」
これまで多くのトッププレーヤー、トップコーチを取材してきて、私の専門知識は大きく広がってきました。さらに私自身も「スーパーシニアトーナメント」で12年間プレーを続けていて、この経験が私に、テニスプレーヤーがもっと上達し、勝つために必要なことは何かを理解するために役立ってくれています。私の仕事と経験から、例えばみなさんに「シニアプレーヤーのための戦術、戦術的テクニック、トレーニングのヒント」などを提供できるでしょう。いくらでもアイディアが浮かんできます。
リチャード・ショーンボーン (コーチ / バイオメカニクス・スポーツ生理学研究者)
「プレーヤーの目標は “世界共通のテニス”であってほしい」
シニアプレーヤーがワールドマスターズを目指す、とてもよいアイディアですね。私はこの日本のテニスマガジンの考えと、挑戦するシニアプレーヤーたちの様子を想像しますが、もっと詳細を知りたい。それから私にできることを考えていきたいです。世界のテニスは常に、テニスプレーヤーたちの目標でなければならないものだと思っていて、その目標があるとそこへ続く道も、方法もはっきりしてきます。これはとても重要なことです。
古川禎己 (コーチ / フェローズスポーツ)
「効率のいいカラダの使い方に フォーカスし、2年後劇的アフター!」
スポーツ上達工房「上達屋」のプログラムである「テニスアスリート体操」と「Wスピン打法」の指導を担当します。2年前の手塚一志さん(上達屋代表)との出会いからコーチとしてのスキル、自分自身のテニスが大きく変化しました。上達屋の考えである理に適ったカラダの操り方、効率のいいカラダの使い方にフォーカスすることで劇的に変化したのです。
アスリート体操は50歳の私に「伸びしろはまだまだあるよ」と教えてくれました。アスリート体操をやり込む凄さを一人でも多くの方に知っていただきたいです。私もワールドマスターズの金メダルを目指します!
根本秀明 (コーチ / フェローズスポーツ)
「やり込むたびに変化が現れる、 それがアスリート体操です」
古川コーチとともに上達屋プログラム「テニスアスリート体操」で、理に適ったカラダの操り方、効率のいいカラダの使い方を指導していきます。何歳から始めてもパフォーマンスは必ず上がります。そして何よりケガが起こりにくく、あの憧れの選手のフォームに自然と似てくるのです。
僕がコートで、テニマガで、見本をお見せしましょう。この画期的なメソッドをみなさんの生活の一部に、テニスを行うときの当たり前の手段として取り入れてもらい、今以上のパフォーマンスアップを目指してもらいたいと思います。
木本 知 (志津テニスクラブ代表、KMT,INC.代表取締役)
「テニスはゲーム性のあるマラソン 駆け引きを愉しみながらゴールを求める」
テニスの試合(シングルス)は、ゲーム性のあるマラソンです。しかも若者と違いパワーとスピードを求めることは、自らを苦しめる結果になるので、マイペースを守り、駆け引きを愉しみながらゴールを求める。そうしたら、勝っても負けてもランナーズハイに似た“テニスプレイヤーズハイ”が待っています。まずは完走することを目標に、その後に勝利の方程式を楽しく形成していきましょう。
メンタル部門
佐藤雅幸 (メンタル / 専修大学教授・スポーツ心理学、専修大学スポーツ研究所顧問)
「心の仕組みに興味を持ち、 自分を知り尽くそう」
メンタル・トレーニングの最終ゴールは“心のセルフ・コントロール”です。そのためには、自分の心の特性や状態を知ることが大切です。人生の中で、30代からは光り輝くための大舞台。マスターズ出場という大きな目標に向けて、自分の内面にフォーカスすることは、とても賢いやり方です。テニスコートで技術を磨くように、心を鍛え、コントロールするための方法を学んで勝負強い選手になりましょう。そのための提案をしていきたいと思っています。
フィジカル部門
佐藤雅弘 (トレーナー / JAMプランニング代表、日本オリンピック委員会強化スタッフ)
「ただ鍛えるだけでなく、 テニスの身体づくりを」
ワールドマスターズ出場に向けて体力づくりをしようと考えるみなさん。そのとき、昔の感覚で自分を取り戻そうとしたり、プロと同じことをやろうとしたりするのは…ちょっと待った!
その始め方は少し危険だと思います。まずは自分の身体を知ることから始めましょう。フィジカル・トレーニングで一番大切なことは、ただ身体を鍛えるだけでなく、テニスの体力に結びつけることです。そのためにはテニスの体力とは何かを理解し、それから効率よく鍛えることをしていきます。段階を踏んでプログラムを提供していくので、2年後の自分を楽しみにしていてください。
ボディケア部門
山下且義 (トレーナー / 虎ノ門コンディショニング ヤマシタ院長)
「“古傷に勝つ”身体のメンテナンス術を 教えましょう」
昔からテニスに打ち込む方は、ケガや身体の痛み、違和感を経験したことがあるはずです。そんな状態なのに痛みを我慢して試合や練習を続けると、痛みが慢性化してしまいます。これではパフォーマンスは上がりませんし、さらなるケガのもとです。
そこで私が提案したいのが「普段の生活でも簡単にできるコンディショニング・トレーニング」。シニア層は仕事や家事、子育てとトレーニングに割く時間があまりありません。そんな方々にも無理なく実践できる身体のメンテナンス術を紹介していこうと思います。この2年間で正しい補強運動やストレッチを学び、ずっと苦しんできた古傷の痛みに打ち勝ちましょう!
栄養部門
高橋文子 (管理栄養士・公認スポーツ栄養士 / エームサービス株式会社)
「世界を目指す!? カラダ作りを応援します!」
みなさんがカラダ作りをする目的は何でしょうか。「痩せたい」「筋肉をつけたい」、若かりし頃は「モテたい」だったかもしれません。しかし最近はもっぱら「健康のため」なんてことはありませんか(笑)。もちろん、健康に勝るモティベーションはありませんが、そこに「世界を目指す」を追加してみませんか?
私が世界を目指す!? カラダ作りを応援します! シニアでも世界を目指せるなんてワクワクします。そんな企画のお手伝いができて、光栄です。
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