世界一を育てたコーチに学ぶ「トニーナダル」(3)トニーがラファに使うトレーニング
取材MEMO
Tip1 ラファの場合、まず自分がどのようなプレーをするかという構想を持ち、それを実現させるためのテクニックを身につける形をとったという。選手に「戦略プラン」を持たせ、それを遂行するためのコース配分をなるべく自分で考えさせるようにする。またトニーは、練習をなるべく実戦に近づけるため、普段から、ラファに試合に近い強度でラリーをさせてきたそうだ。
写真◎小山真司
Tip2 現在はビデオを使った研究も行いながら対戦相手によってプランを考えるという。
2011年、ジョコビッチとの対戦ビデオを見て研究した際には、ナダルがジョコビッチに対してポイントを奪ったときは、ジョコビッチの両足が必ず地面から離れていることを発見。そのときナダルの足はというと、片足のみが地面に着いていたという。
そこで、ジョコビッチをなるべく走らせて体勢を崩すために、ナダルは(片足が上がる感じまで)体重を乗せてフルに打ち込める状態をつくってからウィナーを狙うように心がけたという。
Tip3 サービス練習をカゴボールを使って練習の終わりにやることが多いが、その頃は疲労していることが多く、100%で打ち込めないことも多い。ラファも若いときはそのようにしていたが、ラファがトレーニング終盤には疲労しており、そのためサービス練習がやや疎かになったと考えたトニーは、練習の最初にサービスをやるように順序を変えたという。
写真◎小山真司
Tip4 練習では、まずいところの矯正もするが、トニーは特にラファの強みを強化するように努めてきたという。
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