ベスト8出揃う、8年ぶりの出場で頂点狙う内田海智 [三菱全日本テニス選手権95th]
男子シングルスは第1シードの清水悠太(三菱電機)が川上倫平(あきやま病院)を6-1 6-3で退け、第2シードの今井慎太郎(イカイ)も食い下がる守谷総一郎(Team REC)を6-4 6-4で振り切った一方で、第4シードの高橋悠介(三菱電機)、第5シードの島袋将(有沢製作所)、第6シードの越智真(江崎グリコ)がシードダウンを喫した。
高橋を6-4 6-3のストレートで下したのは男女合わせて唯一、大学生で1回戦を突破した今村昌倫(慶應義塾大学)だった。今村は準々決勝で大学の先輩である上杉海斗(江崎グリコ)とのワイルドカード(主催者推薦枠)同士の戦いに挑む。
その中で虎視眈々と頂点を狙っているのが第3シードの内田海智(富士薬品)だ。女子ではトップシードの日比野菜緒(ブラス)が6年ぶりの出場となっているが、こちらは高校生で出場して以来、なんと8年ぶりの全日本参戦。2回戦ではベテランレフティーの小ノ澤新(イカイ)を6-1 6-1で圧倒した。
長く海外を転戦する日々だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で出場できる大会がなくなった。大会出場を模索する中で全日本開催の知らせを聞くと、迷わず参戦を決めた。「日本で試合をする機会は少なかったが、プロになって、実力を試すいい機会。優勝を目指して頑張る」とモチベーションは高い。
1回戦の試合中に右腕に違和感を覚え、2回戦でもメディカルタイムアウトを取ってマッサージを受ける場面があった。「今までにないような感覚でサービスが振れなくなった。心配だが、状態を見ながら戦っていく」というが、それでも選手たちが「遅い」と口をそろえる有明の室内ハードでサービスエースを奪う場面もあった。一発で相手を追い込む、重いストロークも健在。コンディションの不安を吹き飛ばして一気に頂点まで駆け上がっても、何の不思議もないだろう。
取材◎杉浦多夢 写真◎菅原 淳
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