全日本学生テニス連盟が主催する「2020年度全日本学生テニス選手権大会（男子88回／女子64回）」（三重県四日市市・四日市テニスセンター／11月17～24日／ハードコート）の大会6日目は男女単複の準々決勝が行われ、各種目のベスト4が出揃った。

　第5シードの白石光（早稲田大2年）はノーシードの中川舜祐（法政大3年）に7-5 6-0とストレート勝ち。第1セットの序盤は中川の速い展開に苦しみ1-3とリードを奪われたが、集中を切らさず「できるだけ多くのボールを返す」ことで対応した。緩急を使い、守る場面ではどっしりと身構え、隙あらばネットに出るという変幻自在なプレーで4ゲームを連取した。

 　一度は5-3から5-5と並ばれたものの「自分から展開するプレーができた」と2ゲームを奪って第1セットを先取。第2セットは中川に1ゲームを与えずベスト4進出を決めた。

　準々決勝からは3セットすべてが6ゲームマッチとなり、スロースターターの白石にとっては「気持ちに余裕が出て、より大胆なプレーができるようなった」と自己分析。その言葉通り、中川との試合も序盤で戦況を見極める冷静さが際立った。

　準決勝で白石と対戦するのは第4シードの羽澤慎治（慶應義塾大3年）に決まった。2年前のインカレ準優勝者は、この準々決勝で苦戦を強いられた。柚木武（法政大4年）との試合は第1セットこそ6-0と圧倒するも、以降は左利きのビッグサーバー相手に大苦戦。第2セットはタイブレークを落とし、最終セットは一時リードを奪われたが、途中から柚木の足が止まり、その隙を突く形で辛くも勝利をおさめた。


苦しみながらも2年ぶりの4強入りを決めた羽澤

　第1シードの今村昌倫（慶應義塾大4年）は白藤成（慶應義塾大2年）とのストローク戦を「焦らずに」対処した。同校対決で学年は違えど、同い年の白藤とは「小さい頃からプレーしている相手」だった。

 「ガンガン打ってくることは分かっていた」という今村は、打ち合いながらも相手のミスを誘い、チャンスボールをしっかりと仕留めた。序盤は白藤のボールの正確性も高く、手こずる場面もあったが、第1セットを7-5で制した後は主導権を掴み、その手を離さなかった。


安定した試合運びで同校対決を制した今村

　その今村と準決勝で相対する田形諒平（筑波大学3年）は関西勢で唯一ベスト8入りの松田康希（関西大2年）に6-3 6-2と快勝。ベースライン上ではしっかりと打ち込み、ネットもとりにいく松田のプレーも決して悪くはなかったが、田形のディフェンス力はそれを上回るほど強く、安定していた。


単複ベスト4入りを決めた田形

　この結果、男子シングルス準決勝は今村vs田形、羽澤vs白石の対戦カードに決定した。上位シード勢が評判通りの実力を発揮して勝ち上がったこととなる。また、田形と白石はダブルスも準決勝に進出。両者は2冠の可能性を残している。

　大会7日目の11月23日(月)は10時00分から、男女単複の準決勝が行われる予定となっている。