2年生の阿部宏美(筑波大)が2冠を達成 [2020インカレ]
女子シングルスは第6シードの阿部宏美(筑波大2年)が第9シードの伊藤日和(同志社大3年)を6-0 6-0で下して優勝を飾った。
愛知県出身でジュニア時代から切磋琢磨してきた者同士が、大学日本一をかけて同じコートに立った。伊藤にとっては全国大会初のシングルス決勝の舞台。対する阿部は2年前の高校インターハイ、同じ年の全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会と3度目のタイトルをかけた戦いとなった。
試合は思いもよらない展開となった。決勝戦の独特の雰囲気、張り詰める緊張感によって伊藤はいつの間にか「飲まれていたのかもしれない」。準決勝まで見せていた動きのよさにも狂いが生じてしまう。
一方、阿部は大会を通じて調子を上げられず、それがかえって守備への意識を高めた。「(自分の)ボールがうまく飛ばせない分、(伊藤が)打ちにきてくれた」ことでミスを誘い、序盤からテンポよくポイントを重ねていく。要所では自ら求める仕掛けるテニスも披露。「戦術な面では(決勝は)うまくできたので、そこはうれしい」とうなずいた。

決勝の舞台で伊藤を圧倒した阿部
自身のことを「基本、マイナス思考なので」と語る阿部。新型コロナウイルス感染症の拡大により大会への出場機会はすべて奪われ、このインカレが8ヵ月ぶりの実戦となった。
試合勘も失われ、大会前は「初戦で負けるかもしれない」と考えていたという。しかし、この油断の排除こそが最高の結果につながったとも言える。試合に勝利したあとも満足せず、反省の言葉が並ぶ限り、成長は続いていく。
「(阿部は)ミスをまったくしないし、私の引き出しを全部使ってもダメでした」と肩を落とす伊藤。ボールを打ち合うだけでは歯が立たず、ループ系のボールやネットプレー、スライス、コートの幅を広く使う戦術など手を尽くしたが、阿部にすべて対応された。

「いろいろ工夫してもすぐ対応されてしまった」と伊藤
決勝を終えて少し時間が経った頃、空いていたコートで練習をする伊藤の姿があった。今年は関西学生、インカレともに準優勝。最後の最後で負けるというのは何かが足りない。「もう負けるのは嫌なので。死ぬほど練習して、出直してきます」と力強く誓った。
ダブルス決勝は阿部/川出莉子(筑波大1年)が堺愛結/田中菜冴美(姫路大4年/2年)を7-5 7-5で破っての優勝。阿部は昨年の佐藤南帆(慶應義塾大)に続く2冠を達成した。
取材◎中野恵太 写真◎松村真行
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