オーストラリアン・オープン前哨戦のビッグウィークが間もなくスタート
テニス・オーストラリア(豪州テニス協会)によって手配された17機のチャーター便がメルボルンとアデレードに到着し始めた1月14日から、1000人以上(選手、コーチ、チーム、オフィシャル含む)が2週間に渡る検疫期間に入っていた。
その中の何人かが到着時のウイルス検査で陽性と判定されたため、これらの便に同乗していた72人のプレーヤーは練習に出かけることも許されずにホテルの部屋から外に出ることができない『ハードロックダウン』を強いられることになった。通常の検疫を課された他の選手たちは、基本的にホテルに留まりながらも練習するために毎日5時間の外出を許されていた。
オーストラリアン・オープンの会場であるメルボルン・パークはこの土曜日に22人を除くすべての選手が検疫期間を終えたため、日曜日から始まる前哨戦に向けて準備をする選手たちでごった返していた。日本の錦織圭(日清食品)とブノワ・ペール(フランス)は、土曜日の夜11時59分にホテルから出ることのできた選手たちの中に含まれていた。
まずはWTA500の2大会が日曜日からスタートし、世界ランク1位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)ら各大会の上位シード10人が1回戦をBYEで免除されている。アリゼ・コルネ(フランス)とアイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)は1回戦で対戦し、その勝者が2019年オーストラリアン・オープン優勝者の大坂なおみ(日清食品)への挑戦権を得ることになる。
女子ではそのほかにも、ハードロックダウンを課された選手のみを対象に新たに追加された大会も用意されている。
一方で男子のほうは2月1日からATP250の2大会が始まり、その翌日から今年は規模を縮小して12チームで争われる世界テニス国別対抗戦「ATPカップ」が5日間の日程で行われる。これらは「メルボルン・サマーシリーズ」と呼ばれ、すべてメルボルン・パークで開催される。
今年のオーストラリアン・オープンは14日間の検疫と前哨戦の開催を可能にするため、従来より3週間開始を遅らせて2月8日に開幕する予定になっている。
ビッグスターたちの何人かは金曜日、南オーストラリア州アデレードのメモリアル・ドライブでのエキシビションマッチで非公式に彼らのシーズンをスタートさせた。このイベントではセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が大坂に競り勝ち、ラファエル・ナダル(スペイン)がUSオープン優勝者のドミニク・ティーム(オーストリア)を倒し、シモナ・ハレプ(ルーマニア)はバーティとの女子のトップ2対決を制した。
豪州テニス協会とオーストラリアン・オープンの最高経営責任者(CEO)を務めるクレイグ・タイリー氏は土曜日、準備過程が様々だったとはいえオーストラリアン・オープンはすべての選手たちにフェア(公正)であると主張した。
タイリー氏によれば、ハードロックダウンを課されていた選手たちはトレーニング施設へのアクセスとスケジュールにおいて優先権を与えられている。彼はまたすべての選手が検疫とオーストラリアン・オープン開始の間に最低でも9日間の準備期間を持つことになるため、大会は可能な限りフェアなものになるだろうと述べた。
「プレー条件の公正さについては多くの課題がありました。ある選手たちは検疫を受けなければなりませんが、その必要がない人(地元選手など)もいる訳ですから」とタイリー氏は打ち明けた。
「検疫を終えてから本番までの間に、我々は少なくとも9日間の準備期間を与えました。完璧に理想的だとは言えないものの、可能な範囲で出来るだけしっかり準備するには十分な時間です。悪天候に見舞われたり、少し体調を崩して数日休む必要があったりした場合と違いはないでしょう」
業者たちがメルボルン・パークでスタジアムとその周辺に最後の仕上げ作業をするなか、ビクトリア州スポーツ大臣のマーティン・パクラ氏は「観客は昨年の50%ほどになるだろう」と語った。2週間に渡って大会を訪れる観客は、約39万人にのぼると予想されている。
最初の8日間にゲートを通って迎えられる観客は1日3万人ほどで、大会の最終段階ではデイセッションとナイトセッションでそれぞれ1万2500人ずつとなる。
パクラ氏は1万5000人収容のセンターコートについて、「ロッド・レーバー・アリーナは素晴らしい雰囲気になるでしょう。過去何年かのオーストラリアン・オープンで見られた雰囲気と大きな違いはないと思いますよ」とコメントした。(C)AP(テニスマガジン)
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— #AusOpen (@AustralianOpen) January 30, 2021
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写真◎Getty Images
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