タイトル防衛に向けてジョコビッチがエースの本領発揮、ナダルはオーストラリア戦を回避 [ATPカップ]

写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア/左)とフィリップ・クライノビッチ(セルビア)(Getty Images)

2020年に新設された世界テニス国別対抗戦「ATPカップ」(オーストラリア・メルボルン/2月2~6日/賞金総額750万ドル/ハードコート)が開幕し、初日のデイセッションはグループAとグループCのラウンドロビン(グループ内総当たり戦)第1戦が行われた。

 世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は準備を妨げた右手のマメ(水泡)から回復し、ロッド・レーバー・アリーナで本領を発揮した。彼はタイトル防衛に向けたセルビアのエースとして単複で勝ち星を挙げ、カナダに対する2勝1敗の勝利に貢献した。

 ジョコビッチはデニス・シャポバロフ(カナダ)を7-5 7-5で倒して勝負をダブルスに持ち込み、それからフィリップ・クライノビッチ(セルビア)と組んでミロシュ・ラオニッチ(カナダ)とシャポバロフのペアを7-5 7-6 (4)で倒した。セルビアのファンたちはその間、国旗を振りながら声を張り上げて応援した。

 新型コロナウイルス(COVID-19)のために強いられた14日間の検疫期間を終えたあとの先週金曜日に南オーストラリア州アデレードで行われたエキシビションマッチでプレーしたジョコビッチは、観客からエネルギーを得ることについて話していた。ジョコビッチが記録的8度の優勝を誇る場所であるメルボルン・パークのセンターコートで、彼はこの日も膨大なエネルギーを得た。

 セルビア応援団の大きくて騒々しい声援は、ジョコビッチ率いるチームが昨年の大会で初代チャンピオンに輝いた原動力となり、ラファエル・ナダル(スペイン)を擁するスペインとの決勝を制した。

「こんなにも多くの観客たちを目にすることができて、本当にうれしいよ。彼らは可能なときにはいつも来てくれるんだ。昨年は素晴らしかったよ。あれは恐らく、ベオグラード以外で受けることができる最高の応援だった。僕たちにはそれが必要なんだ。このような類いの大会では必要不可欠だよ」とジョコビッチは感謝の意を述べた。

 COVID-19がコントロール下に置かれたため、政府は前哨戦で収容可能人数の最大25%まで観客の入場を許可している。月曜日から始まるオーストラリアン・オープンでは、それを50%にまで引き上げる予定となっている。これは昨年3月にパンデミックがスポーツの状況を変えて以来、プレーヤーたちが経験できていなかったことだ。

 グループCでイタリアがオーストリアを2勝1敗で倒した対戦で、マッテオ・ベレッティーニ(イタリア)はUSオープン優勝者のドミニク・ティーム(オーストリア)を6-2 6-4で下した試合中に観客の応援を取り戻したことが大きな助けとなったと語った。

 デニス・ノバク(オーストリア)がファビオ・フォニーニ(イタリア)を倒してオーストリアが先勝し、それからベレッティーニがシングルスに勝って1勝1敗のタイに持ち込んだあと、さらにダブルスでも6-1 6-4の勝利をおさめてイタリアが勝者として抜け出した。


エース対決でドミニク・ティーム(オーストリア)を倒したマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)(Getty Images)

 ナイトセッションで開催国オーストラリアと対戦するスペインは、大黒柱のナダルが背中の痛みのために欠場することになった。彼はスペイン代表チームを助けるため、週の後半にはコートに戻ることを望んでいる。

 世界2位のナダルは火曜日に予定されていたアレックス・デミノー(オーストラリア)との対戦前にツイッターを更新し、腰に張りがあるため「木曜日にはよくなっていることを願っている」とコメントした。

 そのためロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)がスペインのナンバーワンに繰り上がり、パブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)がナンバー2シングルスを受け持つことになった。(APライター◎ジョン・パイ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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