オーストラリアン・オープン開幕直前にも腰の痛みに苦しむナダル「ポジティブでい続ける」

写真は開幕前日にメルボルン・パークで練習中のラファエル・ナダル(スペイン/右)(Getty Images)

今年最初のグランドスラム大会となる「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦2月8~21日/ハードコート)のドロー抽選が行われ、男女シングルスの組み合わせが発表された。

 開幕前日を迎えても、ラファエル・ナダル(スペイン)は未だに腰に痛みを抱えているようだ。

 ナダルはすべてが完璧に準備ができていることを望んでおり、14日間の隔離のあとに抱いていた“完全にポジティブな気持ち”が現在は少し消えてしまったと語っている。

 今大会でのナダルは、男子の史上最多記録となる21度目のグランドスラム制覇を目指している。彼は昨年10月にフレンチ・オープンで優勝したことで、ロジャー・フェデラー(スイス)の「20」に並んだところだった。

 しかし現在は腰の問題により、大きな不安を抱えている。ナダルはATPカップではベンチに座っているだけで、ほとんど観客と変わらない立ち位置だった。昨年準優勝のスペインはナダルの欠場もあり、準決勝で敗退した。

「この15日間、腰に問題があるのは事実だ。ふたたびサービスを打ってみることにチャレンジしたんだ。オーストラリアン・オープンのために準備できることはすべてやっている。少しでもよくなってほしいと願いながら過ごしているよ」と日曜日に行われた記者会見で少し落胆した様子でナダルは話した。

 オーストラリアン・オープンは月曜日に始まり、トップシードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が通算9度目の優勝と2度目の3連覇を目指している。

 第2シードのナダルはボトムハーフ(ドローの下半分)に組み込まれ、ラスロ・ジェレ(セルビア)との1回戦は火曜日に予定されている。そこを勝ち上がれば2回戦で、ともに予選を勝ち上がってきたビクトル・トロイツキ(セルビア)とマイケル・モー(アメリカ)の勝者と対戦する。

 さらに勝ち進めば3回戦では、今週メルボルン・パークで開催された6つの大会のうちマレーリバー・オープン優勝でツアー初タイトルを手にした第30シードのダニエル・エバンズ(イギリス)との対戦が予想される。

 しかし現在のナダルはグランドスラム大会の直前にもかかわらずケガに悩まされており、そこまで先を見据える余裕はなさそうだ。

「日曜日に状態をチェックして、月曜日に様子を見て火曜日の試合に臨む。欠場するという選択肢はなく、大会のスタートをどのようなコンディションを迎えられるかについて考えている。重傷ではないけど、筋肉にまだ張りが残っているから動きに多少の制限はかかる。とにかく状態がよくなることを祈るよ」

 メルボルン・パークは数々の栄冠に輝いてきたナダルにとって、もっとも苦手にしてきたグランドスラム大会の会場である。彼が唯一優勝したのは2009年だが、4度の準優勝を経験している。

 いずれにせよナダルは史上3人目、オープン化以降では初となる「ダブルグランドスラム」(4大大会2回以上制覇)の偉業を目指している。ウインブルドンが2度(2008年、10年)、USオープンは4度(2010年、13年、17年、19年)制しており、フレンチオープンでは100勝2敗という途轍もない勝率を誇っている。

 彼のスタッフとメディカルチームは最善を尽くしており、「ときに物事が早く変化することもあるんだ。だから僕はポジティブでい続けるよ」と本人も回復することを諦めていない。(APライター◎ジョン・パイ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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