ジョイナーからインスピレーションを受けたウェアでセレナが初戦を悠々クリア [オーストラリアン・オープン]

写真はセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)(Getty Images)

今年最初のグランドスラム大会となる「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦2月8~21日/ハードコート)の女子シングルス1回戦に、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)はレースの準備を整えて到着した。

 元五輪スプリンターのフローレンス・グリフィス ジョイナー(アメリカ)からインスピレーションを得たという片足のみを覆ったカラフルなキャットスーツで登場したセレナは、ダブルフォールトで試合を開始して最初のサービスゲームを落としたおぼつかないスタートをすぐに克服し、10ゲームを連取してラウラ・シグムンド(ドイツ)を6-1 6-1で倒したのだ。

 この勝利でセレナは、史上最多記録に並ぶ24回目のグランドスラム制覇を目指す最新の挑戦をスタートした。コートを離れるとき彼女は上腕二頭筋を曲げて見せ、のちに『止められない女王』と書かれたTシャツを着て現れた。

 彼女は自分の1回戦を「ビンテージ・レナ」と表現し、前哨戦の準決勝を棄権することになった右肩の問題を感じさせるものは何も見せなかった。

 前述のジョイナーは1980年代の短距離ランナーであり、ファッションアイコンで100m走と200m走で世界記録を樹立した女性アスリートでもある。セレナが最初のオーストラリアン・オープンを戦った1998年に、彼女は38歳で亡くなっていた。

「ええ、私は素晴らしい陸上選手で私の子供時代に活躍していた驚くべきアスリートである“フロ・ジョー”からインスピレーションを得たの」とセレナは明かした。「絶えず変わっていく彼女のファッション、彼女のウェアを見るのは常に素晴らしいことだったわ。私たちは今年、コート上でセレナ・ウイリアムズを高め続けるために何ができるかを考えたのよ」。

 これは非常にいいスタートだ。

 しかしながら彼女は、2回戦に進出した唯一のウイリアムズではなかった。姉のビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)もまた、グランドスラム大会では2019年以来となる勝利をおさめたのだ。21度目のオーストラリアン・オープンをプレーしている姉のビーナスは、キルステン・フリプケンス(ベルギー)を7-5 6-2で下した。40歳のビーナスは今年のドローで最年長の選手であり、40代でオーストラリアン・オープンを戦った史上6人目のプレーヤーとなった。

「私は自分の仕事が好きなの。人生で何が起きようと常に頭を高く挙げ、1億%の力を尽くす。それが私が毎日毎日やっていることであり、私が誇りに思っていることでもあるのよ」と彼女はコメントした。

 新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを経ての大会開催について、「これは驚くべきことよ。昨年は世界にとって、とても恐ろしいものだった。私が愛していることをやることができ、ここにきて戦うことができる――昨年の状況を考えると、この瞬間に一層感謝したい気持ちになるわ」とセレナは語った。

 もう4年というもの、セレナはグランドスラム大会シングルス優勝回数でマーガレット・コート(オーストラリア)の持つ史上最多記録「24」に追いつくことを目指している。セレナが最後にグランドスラム大会で栄冠に輝いたのは、2017年オーストラリアン・オープンだった。

 彼女は1回戦での勝利のあと、「私は膨大なプレッシャーを抱えていたけど、もはやそれを感じていないわ」とアメリカのスポーツ専門チャンネル『ESPN』に打ち明けた。

「それは大きな安堵のようなものよ。過去の私は間違った見方をしていたわ。今はそのことについて、まったく違った感じ方をしているの」(APライター◎ジョン・パイ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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