元テニス強国スウェーデンの期待を背負うミカエル・イーメル [オーストラリアン・オープン]

写真は2020年オーストラリアン・オープンでのミカエル・イーメル(スウェーデン)(Getty Images)

今年最初のグランドスラム大会となる「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦2月8~21日/ハードコート)の大会4日目は、男女シングルス2回戦と男女ダブルス1回戦が行われた。

 好むと好まざるとに関らず、ミカエル・イーメル(スウェーデン)は期待の重さとともに生きなければならない。結局のところ、彼はビヨン・ボルグ(スウェーデン)、マッツ・ビランデル(スウェーデン)、ステファン・エドバーグ(スウェーデン)などを輩出したかつてのテニス強国の出身なのだから。ミカエルと彼の兄のエリアス・イーメル(スウェーデン)――彼らはエチオピア移民の息子だ――は、スウェーデンをテニスの世界地図に乗せる期待を背負う新世代のプレーヤーたちなのだ。

 特に弟のミカエルは、ここ最近めきめきと上達し始めている。彼は木曜日の男子シングルス2回戦で『ナダル二世』の呼び声も高い17歳のカルロス・アルカラス(スペイン)を2-6 6-4 6-4 7-6(5)で倒し、グランドスラム大会で初めて3回戦に進出した。

 ジュニア時代の2015年にウィンブルドンで準優勝した実績を持つミカエルはスウェーデンの偉人たちとの比較があるのは理解しているが、自分なりの道を築こうとしている。

「僕の母国のためにプレーし、母国を愛している。そうは言っても自分が国に対して借りがあるとか、何らかの方法で特定の場所を埋めなければならないなどと感じたことは一度もないよ」と彼はコメントした。

「僕は自分にできることをやるよ。もしその過程でスウェーデンのテニスを高めることができるなら、それは素晴らしいことだ」

 ボルグ、ビランデル、エドバーグは1974年から92年にかけて、3人合わせてグランドスラム大会のシングルスで「24」のタイトルを獲得した。それ以降でグランドスラムのタイトルを獲ることのできたスウェーデン人は、2002年オーストラリアン・オープン優勝のトーマス・ヨハンソン(スウェーデン)だけである。

 もしミカエルがメルボルンで更なる一歩を望むなら、彼がよく知るライバルである第5シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)を乗り越えなければならない。ふたりはオーストラリアに到着してから、14日間の検疫期間中に練習パートナーとしてともに汗を流していた。

「それが僕らに配られたカードだった。ツアー選手の中で、これは手にすることができる中でも最良のカードのひとつだよ。大会前のスパーリングという意味で、これ以上いい準備を要求することはできなかったろうね」とイーメルは語った。(APライター◎ジャスティン・バーグマン/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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