『ナダル二世』アルカラスが17歳にしてグランドスラム本戦デビュー戦で勝利 [オーストラリアン・オープン]
ラファエル・ナダル(スペイン)の叔父で長年のコーチだったトニー・ナダル氏が輝かしい経歴を持つ甥の後継者としてカルロス・アルカラス(スペイン)を指名したとき、彼はまだグランドスラム大会でプレーしたことすらなかった。
誇大宣伝には目を向けず、17歳のアルカラスは火曜日にオーストラリアン・オープン1回戦で素早い仕事をやってのけた。彼は自身と同じく予選を勝ち上がってきたボティック・ファン デ ザンツフープ(オランダ)を6-1 6-4 6-4で退け、グランドスラム本戦デビューを勝利で飾った。
そしてこの快挙により、世界ランク141位のアルカラスは2014年オーストラリアン・オープンでのタナシ・コキナキス(オーストラリア)以降でグランドスラムのシングルス本戦で勝った最年少男子プレーヤーとなった。
いくつかの類似点はあるものの、アルカラス自身はナダルとの比較に興奮している様子はない。アルカラスは素早い反射神経とどう猛なまでの激しさを備え、パワフルなテニスをする。「バモス!」と叫びながら拳を突き上げ、彼の唸り声は確かに音量という意味でナダルと共通する部分はある。
2003年ウインブルドンでマリオ・アンチッチ(クロアチア)を倒したナダルもまた、17歳で最初のグランドスラム大会本戦の試合に勝った。
ナダルとは違って右利きのアルカラスは試合後、「ラファとの比較に耳を傾ける」のではなく、自分自身と試合に集中し続けようとしていると話した。
そうは言っても、彼はナダルから大きなインスピレーションを受けている。
「彼はどんなときも非常に高い強度でトレーニングをしています。彼はすべてのボールを力を込めて強く打とうとしています。彼は最初のボールから最後のボールまで集中していると思います。それは見習いたい点です」と彼は語った。
そしてナダル本人も、これから数年に渡って上達し続ければアルカラスには明るい未来が待っているだろうと期待している。
「彼は強烈だよ。情熱もあるし、いいショットを打つ。これからどれだけ上達できるかによって、非常にいい選手になるか驚くべきチャンピオンになるかの違いが生まれるだろう」
アルカラスのブレイクの舞台は、ナダルが1回戦でラスロ・ジェレ(セルビア)を倒したロッド・レーバー・アリーナから相当離れた場所にあった。アルカラスの試合はコート17の第1試合に組まれたが、そこはフェンスがなければスマッシュが通り過ぎるトラム(路面電車)に当たる可能性があるほど会場の端にあった。
しかしながら彼のコートの観客席はかなり埋まっており、そこには彼のコーチで元世界1位のフアン カルロス・フェレロ(スペイン)、USオープン準決勝進出者で今大会第15シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)の姿もあった。
彼は次のラウンドで、ミカエル・イーメル(スウェーデン)と対戦する。2003年のグランドスラム本戦デビュー時にナダルは3回戦に進出しており、もしイーメルに勝てば偉大な先輩と肩を並べることができる。
「今日は僕の最初のグランドスラムで勝つことができて、本当にうれしいです。僕は楽しもうとして、自分のテニスをすることに集中していました。今日はそれができたと思います」とアルカラスは振り返った。(APライター◎ジャスティン・バーグマン/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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