「ロックダウン前に最高の雰囲気だった」フルセットの末ティームに逆転負けのキリオス [オーストラリアン・オープン]

「今の自分が持っているすべてを出し切った。でも足りなかった」と敗北を受け入れたキリオス

今年最初のグランドスラム大会となる「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦2月8~21日/ハードコート)の男子シングルス3回戦で第3シードのドミニク・ティーム(オーストリア)に6-4 6-4 3-6 4-6 4-6で逆転負けのニック・キリオス(オーストラリア)が、記者会見で様々な思いを語った。

「俺は13ヵ月ツアーから離れていたんだ。コロナ禍でも戦い続け、USオープンで優勝、昨年この大会で準優勝した絶好調の相手にあそこまで戦えたことを誇りに思っている。全然残念じゃないし、恥じることもない。この大会のための準備もよかった」

 試合を振り返ると、第3セットの序盤にブレークできなかったことが響いたという。

「あそこでブレークできていれば、3セットで終わったはず。それでも、この3日間で10セット、7時間近くもプレーしたんだ。体がよく持ち堪えたと思うよ」


試合後、がっちり握手を交わして健闘を称え合ったキリオスとティーム 

勝利を掴んだティームを称えることも忘れなかった。

「皆が相手を応援している中で、そのエネルギーを自分の力に変えた。大きな舞台を経験しているし、2セットダウンでもポジティブで落ち込んでいる素振りも見せなかった。まだまだ試合が続くことをあのとき分かっていたんだろう」

 今日のスタジアムの雰囲気こそが自分の戦う場所だという。

「最高の雰囲気だった。ロックダウンが決まって、皆のエネルギーがスペシャルなものだった。とにかく楽しかった。第5セットでブレークされたとき、みんなは悲鳴を上げたけど俺は笑顔だった。楽しんでいた。ティームがよすぎただけなんだ。親友もガールフレンドも見に来てくれた。俺はハッピー。胸を張って明日もダブルスの試合に来る。これを続けていけば結果もついてくるはずだ」

 今後の予定を聞かれると、大会後はまだ何も決めていないという。

「俺は世界中を飛び回って1週間隔離されてから空っぽのスタジアムでプレーするようなことはしない。そんなの俺じゃないんだ。このあと大会があるのかどうかも分からないじゃないか。コートを離れて来週はロックダウン後の生活を楽しみたい。プレーするときがくれば、するだけさ」

 今大会最高の熱狂を生み出し、地元のファンとともに戦ったキリオスの敗退と同時に、メルボルンは5日間のロックダウンに入る。そしてキリオスが受け入れることができない無観客で大会は続いていく。(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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