大坂が出場グランドスラム8大会で4度目の優勝、四大大会準々決勝以降12戦全勝 [オーストラリアン・オープン]

写真は2年ぶりの優勝を決めた大坂なおみ(日清食品)(Getty Images)

今年最初のグランドスラム大会となる「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦2月8~21日/ハードコート)の大会13日目は、女子シングルスとミックスダブルスの決勝が行われた。

 グランドスラム大会での大坂なおみ(日清食品)の問題は1週目にあり、ハードコートのグランドスラム大会でその段階を超えてしまったならトロフィーに彼女の名前を刻む準備をし始めたほうがいいかもしれない。

 序盤の接戦を抜け出した大坂はそこから6ゲームを連取して第22シードのジェニファー・ブレイディ(アメリカ)を6-4 6-3で倒し、直近で出場したグランドスラム8大会で4つ目のタイトルを獲得した。

 強力なサービスで6本のエースを決めた大坂は、グランドスラム大会決勝の戦績を4戦全勝とした。このような形で女子選手がキャリアを始めたは、30年前のモニカ・セレス(アメリカ)以来のこととなる。

 そしてこれは大坂にとって、ここまでのところのグランドスラム大会の準々決勝以降のラウンドで12戦全勝という記録の一部だ。最高の舞台の重要な段階に至ってからの試合で、彼女は負けたことがないのである。

「彼女は必要なときに本当にいいプレーをしたわ。重要な瞬間にいいショットを打っていたのは彼女のほうだったわね」とブレイディは脱帽した。

 AP通信が選ぶ『2020年最優秀女子アスリート』である大坂はまた、昨シーズンから続いている21連勝を継続中であり、その中には昨年のUSオープンも含まれている。彼女はほかにも、2018年USオープンと2019年オーストラリアン・オープンで優勝している。

「今夜はそうなる運命の日ではなかったようね。これからもっと多くのチャンスがあることを願っているわ」とブレイディは25歳にして経験した自身にとって初のグランドスラム大会決勝について語った。

 メルボルン・パークで第3シードだった大坂は、週明けに更新される世界ランクで2位に浮上することを確実にしている。グランドスラム大会で大坂より多くのタイトルを獲った現役選手は、23勝のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)とその姉で7勝を挙げているビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)の2人しかしない。

 大坂にとっての次の課題は、クレーコートとグラスコートで上達することだろう。ハードコートでは現時点で最強と言っても過言ではない彼女だが、フレンチ・オープンとウインブルドンではこれまで一度も3回戦を超えたことがない。

「彼女は私たち皆にインスピレーションを与えてくれ、テニスで成し遂げてきたことは本当に素晴らしいです。若い子たちは彼女が成し遂げたことをテレビで観て、またインスパイアされているといいなと思います」とブレイディは表彰式でスピーチした。

 ブレイディはオーストラリアに入国した際にチャーター便の同乗者のひとりが新型コロナウイルス(COVID-19)の検査で陽性と診断されたため、1月に15日間に渡って練習のための外出もできない完全隔離の検疫期間を過ごさなければならなかった。

 決勝に勝ち上がる過程で一度もトップ25や過去にグランドスラム大会でベスト4以上に進出した経験のある選手と顔を合わせていなかったブレイディにとって、これは大きな挑戦だった。彼女が過去唯一経験した四大大会準決勝は昨年のUSオープンで、そのときは大坂を苦しめながらもフルセットで敗れていた。

 しかし今回の彼女は、そこまでチャンピオンを追い詰めることができなかった

「数ヵ月前にUSオープンの準決勝で対戦したとき、皆にあなたは私にとって強敵になると周囲に話していたの。――私は正しかったわ」

 表彰式のスピーチで大坂は“ジェニー”か“ジェニファー”のどちらで呼ばれるのが好きか尋ねたあと、くすくす笑いながら彼女に語りかけた。

「あなたとの対戦はタフで、この数ヵ月で強くなったあなたを見られたことは素晴らしいと思うわ。本当にハードワークしてきたのでしょうね」

 試合前のコイントスの際に、銀色の女子優勝杯は大坂からそう遠くない位置にある透明なプラスティックの台の上に置かれていた。準決勝でセレナを倒したあと、大坂は自身の考え方について明かしていた。

「私は“人々は準優勝者を覚えてはいない”というメンタリティを持っています。覚えているかもしれないけど、刻まれるのは優勝者の名前なのです」

 そして彼女はその言葉を結果で示し、自分の名前をトロフィーに刻むことに成功した。

 この日はここ数日のメルボルンよりも涼しく、気温は20度程度だった。風のせいでサービスのトスアップが妨げられ、お互いに「ごめんなさい!」と言ってやり直すシーンがたびたび見られた。

 メルボルンで5日間のロックダウンが発令された際には一時的に無観客での開催となったが、この日は収容人数の50%に当たる7500人ほどのファンがスタジアムに入ることを許されていた。

「皆さん、会場に観に来てくれてありがとう。私にとって、本当に信じられないような気分です」と大坂はファンたちに感謝の言葉を述べた。

「最後に戦ったグランドスラム決勝は無観客だったから、このエネルギーを感じられるだけで本当に大きな意味があります」

 第1セット4-4と拮抗した場面で走りながらのロブで大坂の頭上を抜いたブレイディは、両腕を上げて観客を煽って大きな声援を要求した。そのプレーでブレークポイントを掴んだブレイディは、それをものにしていればサービング・フォー・ザ・セットを迎えるはずだった。

 しかし大坂はクロスコートのフォアハンドウィナーを決めて速やかにそのピンチを凌ぎ、それから相手のミスが2本続いて5-4リードとリードした。逆に追い込まれたブレイディは次のゲームでダブルフォールトとフォアハンドのネットミスをしてしまい、大坂が第1セットをもぎ取った。

「恐らく10回に1回くらいしか起きないことよ。いいえ、もっと少ないかもしれないわ」とブレイディはそのミスについてコメントした。

 それは大坂が第2セット4-0とリードを広げる6ゲーム連取に繋がり、彼女はゴールに向けて突き進んだ。

「彼女は本当にアグレッシブで、対戦相手に本当に大きなプレッシャーをかけてくるの。だからそれに対抗するためにはレベルを上げなければならなくなるのよ。それはすべてのプレーヤーがその能力を持っている訳ではないわ」とブレイディは勝者に賛辞を送った。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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