2年ぶりに復活のクレイチコバ/ラムが『ハードロックダウン』を乗り越え2019年に続くミックスダブルス制覇 [オーストラリアン・オープン]

写真はミックスダブルスで2年ぶりにタイトルを獲得したバーボラ・クレイチコバ(チェコ/左)とラジーブ・ラム(アメリカ)(Getty Images)

今年最初のグランドスラム大会となる「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦2月8~21日/ハードコート)の大会13日目は、女子シングルスとミックスダブルスの決勝が行われた。

 バーボラ・クレイチコバ(チェコ)とラジーブ・ラム(アメリカ)のふたりはオーストラリアン・オープンで奇数年に完璧なペアを結成し、2019年に分かち合ったミックスダブルスの優勝杯にもうひとつを追加した。

 土曜日に行われた決勝で第6シードのクレイチコバ/ラムは出だしから主導権を握り、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したサマンサ・ストーサー/マシュー・エブデン(ともにオーストラリア)を6-1 6-4で退けた。

 特にふたりがオーストラリアに入国した際にチャーター便の同乗者から新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が出たとことを理由に練習も許されない2週間の『ハードロックダウン』を課された72人の中にいたことを考慮すれば、これは注目に値する活躍だったと言えるだろう。

「素晴らしい気分よ。また一緒にプレーすることができてとても感謝しているわ」とクレイチコバはコメントした。

「僕たちはチームとして1年のオフを取ったんだけど、彼女個人はオフを取らないで昨年もこのタイトルを獲ったんだ。だから彼女にとっては3連覇ってことになるね」とラムは指摘した。

「素晴らしい仕事ぶりだよ。彼女と一緒にプレーできるのはいつだって喜びなんだ」

 2年前にラムとのペアでメルボルン・パークでの初優勝を飾ったクレイチコバは翌年にニコラ・メクティッチ(クロアチア)と組んで2度目の栄冠に輝いており、同種目3連覇を達成した。

 2020年オーストラリアン・オープンの1ヵ月前、この成功をおさめるペアを一時的に分かれさせたのはウイルスだった。

「その年は僕が12月に具合が悪くなって、ミックスダブルスもプレーするのはいい考えではないと判断したんだ」とラムは振り返った。彼はそのときジョー・ソールズベリー(イギリス)との男子ダブルスに専念し、見事にチャンピオンとなった。

 金曜日にカテリーナ・シニアコバ(チェコ)とのコンビで第3シードだった女子ダブルスの決勝で第2シードのエリース・メルテンス(ベルギー)/アーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)に敗れていたクレイチコバは、そのことをできるだけ早く頭から追い出して別のタイトルを目指したいと話していた。

 決勝でのクレイチコバ/ラムは一度しかブレークポイントに直面せず、それぞれ別のパートナーとここで優勝したことのあるストーサー/エブデンを1時間もかけずに倒した。オーストラリア人ペアは第5ゲームでエブデンがサービスゲームをキープするまで1ゲームも取れず、わずか22分で第1セットを落とした。

 大坂なおみ(日清食品)が女子シングルス決勝でジェニファー・ブレイディ(アメリカ)に勝ったあと、その場に残ったファンたちは母国の選手がグランドスラム大会でトロフィーを掲げるところを目撃したいと願っていた。彼らは声を出してエブデンとストーサーを応援したが、それも役には立たなかった。

「私たちはコートの中でも外でもお互いに理解していると感じているの。彼はとても気さくだし、とてもうまくいっているわ」とクレイチコバは検疫期間中も連絡を取り合っていたふたりのパートナーシップについて説明した。

 ラムは明らかに厳しい状況だった隔離期間を友人たちと連絡を取りながら過ごし、そのあとはシンプルな考え方で取り組んだ。

「決してやり過ぎないということだよ。僕はもう36歳だし、34年くらいプレーしているんだ。だから14日間テニスをしなかったくらいで忘れてしまうことはないよ。とにかくフィジカル的にもメンタル的にもいい状態にあると確認することが大事なだけだったんだ」

「私たちが実際に成し遂げたことは本当に驚くべきことよ。厳格な検疫を乗り越えなければならなかったにもかかわらず、うまく機能できて本当によかったと思うし感謝もしているわ。もしかしたらそれが優勝の鍵だったのかもしれないじゃない?」とクレイチコバは語った。(APライター◎ブルース・マシューズ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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