フランスで感染者急増のためフレンチ・オープン開始が1週間遅れに
大会が「可能な限り多くの観客の前で」プレーされる可能性を最大限に増やすため、この決断に至ったとフランステニス連盟(FFT)は説明した。現在フランスでプロスポーツの大会は変わらず開催されているが、すべて無観客となっている。
この決断は、国内の病院がコロナ患者で飽和状態になりつつある中で下された。現在フランスでは感染速度を遅らせるために全国的に規制を強化しており、3週間の学校閉鎖や1ヵ月の国内旅行禁止および生活必需品以外の店の閉鎖などが実施されている。
「この開始延期でCOVID-19の状況を改善させるための時間を少し稼ぐことができ、ロラン・ギャロスに観客を迎え入れる可能性を高めることができるはずです。ファンやプレーヤーや大会の雰囲気のためにも、観客の存在はこの春最初の国際スポーツイベントであるこの大会にとって必要不可欠なのです」とFFT会長のジル・モレトン氏は語った。
フレンチ・オープン開始が1週間遅れることで、大会終了からウインブルドン開始までの期間が2週間だけとなってしまうことになる。今年のウインブルドンは6月28日から7月11日に行われる予定になっており、グラスコートシーズンに向けての選手たちの準備に影響が出ることになるだろう。
四大大会の調整を行うグランドスラム委員会の事務局長を務めるユーゴ・バレンシ氏は、委員会としてはフレンチ・オープンの決断を支持すると表明した。
しかしながら開催国の女子プレーヤーであるアリゼ・コルネ(フランス)は、この決断についてスポーツ大臣のロクサナ・マラシネアヌ氏を非難した。
「我が国のスポーツ大臣はまったくダメだわ。正直に言って、かなり自己中心的な決断ね。この延期によってプロテニスの日程全体が苦しめられることになるのよ。大会にとって容易な時期でないことは理解しているけれど、プレーヤーと年間スケジュールのことを考えなければならないわ」とコルネは『テニスチャンネル』に話した。
昨年のフレンチ・オープン開幕日はCOVID-19による健康危機を理由に9月に延期され、観客は1日1000人までに制限して開催されていた。(C)AP(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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