世界1位のジョコビッチが今季初黒星、金星のエバンズは初のマスターズ8強入り [モンテカルロ・マスターズ]

写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)

ATPツアー公式戦の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000/モナコ・モンテカルロ/4月14~21日/賞金総額246万585ユーロ/クレーコート)の男子シングルス3回戦で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)がダニエル・エバンズ(イギリス)に4-6 5-7で敗れる番狂わせが起きた。

 それはオーストラリアン・オープン優勝者のジョコビッチにとって、いつもの彼らしくないらしくないずさんなパフォーマンスだった。ジョコビッチがキャリア通算82のタイトルを獲得してきたのに対し、ノーシードのエバンズはわずか1勝しか挙げていない。

「彼の勝利にケチをつけたくはないが、僕の側から言えばコートにいて酷い気分だったよ。何をやってもうまくいかないという日のひとつだったね」とジョコビッチは悔しさを滲ませた。

 メルボルンで18回目のグランドスラム制覇を果たした世界ナンバーワンのジョコビッチは、この試合に先立ち2021年には10戦全勝を続けていた。しかしこの日の彼は出だしからプレッシャーに直面し、第1セットでいきなり0-3とリードを奪われた。

「もっともっといいプレーをすべきだったし、できたはずだったんだ。この試合からポジティブなものは何ひとつ得ることはできないよ」とジョコビッチは語った。

 風の強いコンディションの中、ジョコビッチは5度もサービスゲームをブレークされた。

「このような状況下でエバンズのように走らせてくる相手に対してプレーするのは難しい。彼は非常に予想しにくいショットを打ってくるからね。自分のテニスをバラバラにされてしまったよ」とジョコビッチは振り返った。

 ジョコビッチは第2セットに入ると第2ゲームでブレークして3-0とリードを奪い正しい軌道に戻ったかと思われたが、3-1からブレークバックされて振り出しに戻されてしまった。エバンズは第2セット5-5からふたたびブレークして6-5とリードしたあと、最初のマッチポイントで勝利を決めた。最後は前に出たジョコビッチに対し、ネットをかすめながらも入ったフォアハンドのパッシングショットで抜き去った。

「恐らくまだ飲み込めていないよ。最後のボールがネットを超えたことが信じられない。危うく入らないところだった」とATPマスターズ1000の大会で初の8強入りを決めた世界ランク33位のエバンズは振り返った。

「明らかに大きな勝利だ。勝てると信じることが一番大事なんだ。サーブをキープして勝利を確定させるのは簡単なことではなかったよ。ありとあらゆることが頭の中を通り抜けていったからね」


勝利を噛みしめるダニエル・エバンズ(イギリス)(Getty Images)

 エバンズは次のラウンドで、第5シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を6-4 7-6(7)で破って勝ち上がった第11シードのダビド・ゴファン(ベルギー)と対戦する。ゴファンは直面した6つのブレークポイントのすべてをセーブし、ズベレフのサービスゲームを一度だけブレークして勝利を掴んだ。

 昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによりキャンセルされたが、今年は無観客での開催ながら男子ツアーのカレンダーに戻ってきた。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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