チチパスがセットを落とさずマスターズ初制覇を達成「信じられないような素晴らしい1週間」 [モンテカルロ・マスターズ]

写真はマスターズ初優勝を飾ったステファノス・チチパス(ギリシャ)(Getty Images)

ATPツアー公式戦の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000/モナコ・モンテカルロ/4月14~21日/賞金総額246万585ユーロ/クレーコート)の男子シングルス決勝で第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)が第6シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を6-3 6-3で下し、大会を通してセットを落とすことなく優勝を遂げた。これはチチパスにとって今年初、キャリアを通しては6つ目のタイトルとなる。

 今大会絶好調だったチチパスはこの勝利で、ルブレフとの対戦成績を4勝3敗と勝ち越した。両者は昨年のフレンチ・オープン準々決勝でも顔を合わせ、チチパスが勝っていた。

「信じられないような素晴らしい1週間だった。僕がこのような立場に身を置けるなんて信じ難いことだ。ここまでのキャリアで最高の1週間だったと思うよ。試合前は緊張してぴりぴりしていたんだ。決勝だということを考慮すると、アンドレイと対戦するのは非常に難しいことだったからね。何とかいいプレーが出来て本当によかったよ」とチチパスは振り返った。

 これはチチパスにとって、ATPマスターズ1000の大会での初タイトルでもあった。

「それをここモンテカルロでやってのけたというのは更に特別なことだよ。クレーコートは僕のお気に入りのサーフェスなんだ」

 新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのためにフランスが初めてロックダウンに入る数週間前の昨年2月にマルセイユの室内ハードコート大会を制して以来、22歳のチチパスはタイトルから遠ざかっていた。

 一方で23歳のルブレフはすでにツアー8勝を挙げているが、マスターズ初制覇と今季2度目の優勝を目指していた。彼は金曜日に同大会で最多記録更新となる12回目の優勝を目指していた第3シードのラファエル・ナダル(スペイン)を非常に果敢なプレーで倒すという殊勲をやってのけ、テニス界のライジングスターのひとりと呼ばれる理由を今一度証明して見せていた。

 ロシア代表の一員として母国をATPカップで世界一に導いたあと、ルブレフはオーストラリアン・オープンで8強入りした。その後も彼は先月のロッテルダムを制し、ここ7ヵ月で4つ目のタイトルを獲得した。ロッテルダム以来、彼はこのモンテカルロを含めて4大会連続で準決勝に到達するという安定感を見せていた。

 しかしこの日の彼は、チチパスに対してたった1度のブレークポイントすら奪うことができなかった。チチパスは彼のロシア人の母がモンテカルロ・カントリークラブでトロフィーを掲げた40年後、同じ場所で栄冠を手にした。当時のソビエト連邦でフェドカップ代表としてプレーしたキャリアを持つユリア・サルニコワさんは、1981年に同じ会場でジュニアのタイトルを獲得していたのである。

「今の気持ちを言葉で表現することはできないよ。あまりに多くの様々な感情と郷愁に圧倒されているんだ」とチチパスはコメントした。

 これに先立ちダブルス決勝も行われ、第2シードのニコラ・メクティッチ/マテ・パビッチ(ともにクロアチア)がノーシードから勝ち上がってきたダニエル・エバンズ/ニール・スクプスキー(ともにイギリス)を6-3 4-6 [10-7]で倒してマスターズ2連勝を飾った。両ペアは2週間前にマイアミ・オープンの決勝でも対戦し、メクティッチ/パビッチの勝利に終わっていた。


男子ダブルス優勝のニコラ・メクティッチ(クロアチア/右)とマテ・パビッチ(クロアチア)(Getty Images)

 昨年の大会はパンデミックによりキャンセルされたが、今年は無観客での開催ながら男子ツアーのカレンダーに戻っていた。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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