WTAツアー公式戦の「ムトゥア・マドリッド・オープン」（WTA1000／スペイン・マドリッド／4月29日～5月9日／賞金総額254万9105ドル／クレーコート）の女子シングルス2回戦で第1シードのアシュリー・バーティ（オーストラリア）と第14シードのイガ・シフィオンテク（ポーランド）が勝ち上がり、次戦でここ2年のフレンチ・オープン女王が初対戦することになった。

　バーティは2019年にロラン・ギャロスで優勝し、シフィオンテクはバーティが欠場した2020年大会でチャンピオンとなっていた。

「それは私が楽しみにしていた試合よ」とバーティは月曜日に予定されているのシフィオンテクとの3回戦についてコメントした。

「数ヵ月前に一度だけ、メルボルンで彼女と練習したの。彼女は本当に印象的なテニスの持ち主だわ。これは私が何が起こるかまったく分からないという白紙の気持ちで臨むチャレンジよ。お互いを探り合い、どのような試合になるか見極めようとしながらプレーすることになるでしょうね」

　世界ランク1位のバーティは同80位で予選から勝ち上がってきたタマラ・ジダンセク（スロベニア）に第2セットを奪われたが、最終的に6-4 1-6 6-3で退けた。バーティはファーストサーブが入らずに苦しんだが9本のサービスエースを叩き込み、9本のブレークポイントを凌いで勝利を手にした。

　前週のシュツットガルトを制したバーティは、レッドクレーでの13試合に連続で勝ったことになる。

「本当にタフな試合だったわ。私はミスが多かった。正しいやり方でミスしていたと思うけど、それでも小さなずれが大きな違いを生み出すものよ。今日の私は散漫になってしまった部分が多過ぎたと感じた」とバーティは反省の弁を述べた。

　一方のシフィオンテクは予選勝者のラウラ・シグムンド（ドイツ）を6-3 6-3で下し、クレーコートでの連勝を「9」に伸ばした。

　マドリッドで3度タイトルを獲得した実績を持つ第9シードのペトラ・クビトバ（チェコ）はもうひとつのグランドスラム優勝者同士の対決で、アンジェリック・ケルバー（ドイツ）を6-4 7-5で倒して3回戦に駒を進めた。

　ケルバーは両セットとも先にブレークしたがクビトバが直ぐに追いつき、最後のゲームをケルバーがキープできずにセットと試合に終止符が打たれた。

「彼女が私のサービスゲームをブレークしたときも、自分がそれほど悪いプレーをしたとは思わなかったの。クレーコートでは落ち着きを保つことが大事で、その点において私は試合を通してよくできたと思うわ。直ぐにブレークバックできたしね」とクビトバは振り返った。

　クビトバは次のラウンドで、前回大会チャンピオンで第7シードのキキ・バーテンズ（オランダ）を6-4 6-3で破って勝ち上がったベロニカ・クデルメトワ（ロシア）と対戦する。

　そのほかの試合では第8シードのべリンダ・ベンチッチ（スイス）、オンス・ジャバー（チュニジア）、予選勝者のアナスタシア・セバストワ（ラトビア）、ワイルドカード（主催者推薦枠）で出場したパウラ・バドーサ（スペイン）が16強入りを決めた。3回戦ではベンチッチがジャバーと、セバストワはバドーサと顔を合わせる。

　昨年の大会は新型コロナウイルス（COVID-19）のパンデミックにより、開催中止となっていた。(C)AP（テニスマガジン）