ナダルが“スペインの若き星”を相手に貫禄の勝利「彼は大きな潜在能力を秘めた将来有望な選手」 [マドリッド・オープン]

写真はラファエル・ナダル(スペイン/左)とカルロス・アルカラス(スペイン)(Getty Images)

ATPツアー公式戦の「ムトゥア・マドリッド・オープン」(ATP1000/スペイン・マドリッド/5月2~9日/賞金総額322万6325ユーロ/クレーコート)の男子シングルス2回戦の期待が高まった世代間対決でラファエル・ナダル(スペイン)が10代でセンセーションを巻き起こしているカルロス・アルカラス(スペイン)を6-1 6-2で倒し、 自分がスペインテニス界で未だ明確に最強の男であることを示して見せた。

 マドリッドで6度目の優勝を果たしてフレンチ・オープンで最高の調子に至ることを目指している第1シードのナダルは、この日18歳の誕生日を迎えたアルカラスに一度も脅かされることはなかった。

 世界ランク120位のアルカラスはATPマスターズ1000の大会での初勝利を挙げたばかりのところで、アイドルとの初対戦を「夢の実現」と呼んでいだ。ワイルドカード(主催者推薦枠)を得て大会にデビューしたアルカラスは2018年にプロに転向し、多くの人々にスペインにおけるナダルの後継者とみなされてきた。

 カハ・マヒカの観客たちが彼のために『ハッピーバースデー』の歌を合唱したあと、アルカラスは最初のゲームでブレークポイントをものにすることができず、そのあとはグランドスラム大会を20回制したとナダルについていくことができなかった。アンフォーストエラーで自分の足を引っ張ってしまったアルカラスは、セカンドセットの終りに唯一のブレークに成功するのが精一杯だった。

 第3ゲームで長いラリーを落としたあとにアルカラスはバックハンド側に高く弾んだボールに飛びついて返球しようとして腕か腹筋を痛めたらしく、メディカルスタッフの診察を受ける場面があった。

 ふたりは一度も公式戦で対戦したことはなかったが、アルカラスがグランドスラム本戦初勝利を挙げた2月のオーストラリアン・オープンでは一緒に練習をしていた。

「非常にいいプレーをしていた若手に対する難しい試合だった。彼は大きな潜在能力を秘めた将来有望な選手だ。彼に必要なのはしばらくの時間だけだ。素晴らしいテニスプレーヤーであることに加え、彼は現在の社会が必要としている道徳的価値観を持った若者だよ」とナダルは自国の後輩を評価した。

 試合後に先月のアンダルシア・オープンでアルカラスに敗れていた大会ディレクターのフェリシアーノ・ロペス(スペイン)が彼のためにバースデーケーキを用意し、ナダルも参加してお祝いのセレモニーが行われた。


左からカルロス・アルカラス(スペイン)、大会ディレクターのフェリシアーノ・ロペス(スペイン)、ラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)

「自分の誕生日にラファと対戦し、彼から多くのことを学ぶことができて素晴らしい時間を過ごすことができました。勝てばもっといいかもしれないけど、本当に楽しかったです。この試合で自分は選手として成長できたと思います」とアルカラスはコメントした。

 ナダルは次のラウンドで、第14シードのヤニク・シンネル(イタリア)を7-6(5) 6-2で破って勝ち上がった予選勝者のアレクセイ・ポプリン(オーストラリア)と対戦する。

 昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、開催中止となっていた。(APライター◎テレス・アゾーニ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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