ケニンがコーチとしての父と決別「これまでの犠牲と貢献を永遠に感謝」

写真は2019年WTAファイナルズでのソフィア・ケニン(アメリカ/右)と父のアレクサンダー氏(Getty Images)

フレンチ・オープンのわずか数週間前、ソフィア・ケニン(アメリカ)は「新しいテクニカルチームを編成中」であることを発表した。彼女はもはや、自分の父をコーチとはしていない。

 22歳のケニンはオーストラリアン・オープン優勝杯を父とふたりで抱えてポーズを取る写真を投稿し、この体制の変革を金曜日に自身のインスタグラムを通して明かした。

「長い年月を一緒に過ごしたあと、私がコーチとしての父と別れることを決めたことを皆さんに伝えたいと思いました。私たちは多くの素晴らしい瞬間をともに分かち合い、多くの成功をおさめてきました。なのでこれは、私にとって容易な決断ではありませんでした」とケニンは説明した。

「父が私のために払ってくれた犠牲と私を今いる場所に導いてくれた貢献に対し、私は永遠に感謝し続けます」

 2020年オーストラリアン・オープン女王でフレンチ・オープン準優勝者のケニンは、最新の世界ランクで4位に付けている。

 ケニンの父はツアーでほぼ一貫して彼女に付き添ってきた人物で、グランドスラム大会では許されていない試合中のコーチングで主審から注意を受けることも何度かあった。それは実際、アレクサンダー・ケニン氏が席を変えて娘の対戦相手のコーチのすぐ横に座った昨年のフレンチ・オープン4回戦で起きていた。

 娘のソフィアが生まれる10年ほど前、彼女の両親はモスクワからアメリカ・ニューヨークに移住した。アレクサンダー氏はその当時、英語の授業を受けながらコンピューターの学校に通っていた。彼は夜間に、ラジオによる操車係の指示を理解するのに苦労しながらもカーサービスの運転手として働いた。そして娘が生まれる少し前に一家はロシアに帰国したが、しばらくしてニューヨークに戻った。そして最終的に、ケニンが今も故郷と呼ぶフロリダ州に身を落ち着けたのだった。

 昨年のオーストラリアン・オープンで優勝するまで、彼女はグランドスラム大会では1度だけ4回戦に進出したのが最高成績だった。メルボルンでの快挙のあとに10月のフレンチ・オープンでの決勝進出が続いたが、彼女はそこでイガ・シフィオンテク(ポーランド)に敗れた。

 2021年シーズンのケニンはスローなスタートを切り、7勝7敗の戦績で来週開催されるクレーコートのイタリア国際を迎える。今年2つ目のグランドスラム大会となるフレンチ・オープンは、5月30日に開幕する。

 ディフェンディング・チャンピオンとして臨んだ初のグランドスラム大会だった今年のオーストラリアン・オープンで、ケニンは2回戦でカイア・カネピ(エストニア)にストレート負けを喫した。彼女はその敗戦を含め、ここ最近の6試合で5敗するという不振に陥っている。

「私は未来がどのようなものになるかにワクワクしており、今後数週間で新しいテクニカルチームを編成することを楽しみにしています。来週ローマでコートに戻ることが待ちきれません」とケニンはコメントした。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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