地元イタリア期待の若手シンネルが初戦突破、ナダルとフレンチ・オープン以来のリマッチへ [イタリア国際]

写真はヤニク・シンネル(イタリア)(Getty Images)

ATPツアー公式戦の「BNLイタリア国際」(ATP1000/イタリア・ローマ/5月9~16日/賞金総額256万3710ユーロ/クレーコート)の男子シングルス1回戦で、ヤニク・シンネル(イタリア)がユーゴ・アンベール(フランス)を6-2 6-4で退けた。

 7ヵ月前、シンネルはフレンチ・オープンでラファエル・ナダル(スペイン)からセットを取るという数少ない選手しかやってのけられていないことを達成するチャンスを2度手にした。彼はそのチャンスを2つともものにすることができず、彼は結局ストレートで敗れた。

 しかしまだ19歳のシンネルはその肌寒い10月の夜に多くを学び、それ以来ランキングを駆け上がってトップ20入りを果たした。彼は月曜日の1回戦を快調に突破し、ナダルとの再戦へと駒を進めた。

「ロラン・ギャロスでの僕は、正しいメンタリティを持っていた。そして次の試合で、僕は同じことをする必要がある」とシンネルはコメントした。

「僕はまた今の自分がより多くの武器を持っており、あのときよりも上達したことを知っている」

 確かにシンネルは上達を重ねてきた。それも迅速に。彼は今年のマイアミ・オープンでATPマスターズ1000の大会で初の決勝に進出し、オーストラリアン・オープンの前哨戦を制し、先月のバルセロナで4強入りした。アンベールとの試合に勝った彼は、今年のマッチ20勝目をマークした。

 それでもクレーコートでナダルと対戦することは、テニスにおける究極のチャレンジだ。ローマでのナダルは、大会史上最多となる9度の優勝を遂げている。

「彼はすでに、そのキャリアを通してこのような状況を経験してきた。僕は今、これからそういうものに直面し始めるところだ。そしてこれからはテニスをよりよく理解するために、僕はこういった難しい試合を必要としているんだ」とシンネルは語った。

 シンネルとナダルは年頭のオーストラリア到着時に一緒に2週間練習していたため、今ではお互いのテニスをよく理解し合っている。

「テニスは状況によって成り立つスポーツだ。どのような状況になっても正しい策を見つけなければならないんだ。彼は間違いなく、僕に多くの様々な状況を強いるだろう。ジョコビッチとの対戦と同じようにね。彼らは多くの試合に勝ってより多くの試合でプレーしているから、他のプレーヤーたちよりもずっと多くの引き出しを持っているんだ。だから厳しい試合になるだろうね」とシンネルは次戦を見据えた。

 またテイラー・フリッツ(アメリカ)はダニエル・エバンズ(イギリス)を6-3 6-2で倒し、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)に対する2回戦に勝ち進んだ。ジョコビッチは9月に開催された昨年の大会で、5度目のタイトルを獲得していた。

 フリッツもまた、ジョコビッチと印象深い試合を経験していた。彼は2月にオーストラリアン・オープン3回戦でジョコビッチと対戦し、5セットの死闘の末に敗れていた。

 ブノワ・ペール(フランス)はワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したステファノ・トラバグリア(イタリア)に4-6 3-6で敗れた試合の間に携帯電話を取り出し、議論になったボールマークの写真を撮った。ペールはまた2日前に新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンを接種したあと、100%の体調ではなかったと話した。

 ファビオ・フォニーニ(イタリア)は日本の錦織圭(日清食品)に3-6 4-6で敗れた試合の途中で癇癪を起し、ラケットを叩きつけた。それから彼はすでに壊れているラケットをわざわざふたつに折り、それをコート外に投げ捨てた。

 そのほかの試合ではクリスチャン・ガリン(チリ)、アスラン・カラツェフ(ロシア)、ヤン レナード・ストルフ(ドイツ)、マリン・チリッチ(クロアチア)、マートン・フチョビッチ(ハンガリー)らが2回戦に駒を進めた。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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