ズベレフに対する連敗を止めたナダルが準決勝に進出「素晴らしい選手に対する重要な勝利」 [イタリア国際]

ズベレフは先週のマドリッド・オープン準々決勝でナダルをストレートで破っていたが、この日は出だしからナダルが主導権を握った。ナダルは第1セットでいきなり4-0とリードし、第2セットで直面した8つのブレークポイントをすべてセーブした。
試合後にナダルは「今日の僕はマドリッドのときよりもしっかりしたプレーをした。コンディションも違ったしね」と言って標高が高くボールのスピードが出るマドリッドの環境のためにズベレフがサービスで支配することを可能にしたことを示唆した。
「ここのコンディションは、もう少し通常の状態だ。僕は少し余計にコントロールすることができたよ」
この日のナダルの試合は、前日に2つのマッチポイントを凌いだ末に第13シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)に逆転勝ちした3セットの長い苦闘とは対照的な展開だった。
ナダルにとって唯一の危ない場面は、第1セットのサービング・フォー・ザ・セットのゲームでドロップショットを追って走った際にサービスライン上で躓いて転んだときだった。ナダルがコート上に転がって痛みに顔をしかめたとき、2500人ほどの観客たちは揃って息を飲んだ。
その返球――ナダルは倒れながらもボールをネットの向こう側に返していた――を簡単に決めたあと、ズベレフはナダルが大丈夫か確認するためにネットの反対側にまでやってきた。ナダルは立ち上がって体の泥を払うと、背中やヘッドバンドにまだ土を付けたままの姿でプレーを再開してセットを締めくくった。
「一部のラインはコートの他の部分より高くなっているから、ラインに触れるときは危険なんだよ」とナダルはコメントした。
2017年大会覇者で前週のマドリッドでも優勝を遂げていたズベレフは第2セット序盤のブレークから立ち直るチャンスを何度も手にしたがナダルがその都度プレーレベルを上げて反撃を阻止し、ワイドサーブから完璧なサーブ&ボレーを決めて最初のマッチポイントを逃さず仕留めた。
「今日の僕は多くのミスを犯すことなく、非常に堅実なプレーをした。やるべきプレーを実行することができたよ。これは僕にとって、素晴らしい選手に対する重要な勝利だ」とナダルは試合を振り返った。
同大会で最多記録更新となる10度目の優勝を目指すナダルは次のラウンドで、ビッグサーバーのライリー・オペルカ(アメリカ)と対戦する。オペルカは予選勝者のフェデリコ・デルボニス(アルゼンチン)に7-5 7-6(2)で競り勝ち、ATPマスターズ1000の大会で初の4強入りを決めた。
オペルカのサービスが「ほとんどリターン不可能」であることから、ナダルは彼との対戦を「大きな挑戦」と呼んだ。
「エースを取られることを受け入れる準備ができている必要があるし、リターンで辛抱強さを持たなければならないだろう」とナダルは警戒した。
一方で第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と第5シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)の試合は、第1セットを6-4で先取したチチパスが第2セットもワンブレークして2-1とリードした時点で雨により翌日に持ち越しとなった。一度中断してから3時間半ほど待って再開したものの、ふたたび雨で中断されたこの試合は土曜日の午前11時から続きが行われることになった。
また第7シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)とロレンツォ・ソネゴ(イタリア)の対戦は雨のために試合を開始することができず、同じく土曜日に延期された。土曜日に順延となった準々決勝に勝った選手は、同日の夜に準決勝を戦う予定となっている。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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