対照的な1日を過ごしたジョコビッチとナダルがローマ決勝で6度目の対決へ [イタリア国際]

写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア/右)とロレンツォ・ソネゴ(イタリア)(Getty Images)

ATPツアー公式戦の「BNLイタリア国際」(ATP1000/イタリア・ローマ/5月9~16日/賞金総額256万3710ユーロ/クレーコート)の男子シングルス準決勝が行われ、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)がタイトルをかけて対決することになった。

 進境著しい新世代のプレーヤーたちは、ジョコビッチとナダルの時代を終わらせる準備がまだできていないのかもしれない。モンテカルロとマドリッドのマスターズでステファノス・チチパス(ギリシャ)とアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)がそれぞれタイトルを獲得したことで、ロジャー・フェデラー(スイス)を含む『ビッグ3』の支配が崩れるのではないかという憶測がふたたび飛び交った。

 しかしまあ繰り返しになるが、それはまだのようだ。

 あと1週間以内で34歳になるジョコビッチと来月に35歳の誕生日を迎えるナダルは2人で土曜日に若い選手たちとの3試合に勝ち、ロラン・ギャロスが始まるちょうど2週間前にローマの決勝で記録的なライバル関係を更新することになる。

「僕がチチパスに勝ったあと、ロッカールームでラファと少し談笑したんだ。僕たちは老人たちはまだ諦めていないなどと冗談を言い合ったよ」とジョコビッチは明かした。

「2、3日前にラファがどこかで、ロジャーと彼と僕は年を取っていると言ったんだ。だけど僕はそうは思わない。僕たちはほかとは違うフレッシュなエネルギーを見せているからね」

 ふたりは大きく違う道程を辿り、それぞれ決勝進出を決めていた。ジョコビッチは金曜日に始まった準々決勝が雨により中断したたため、1セットダウンで第2セットも1-2とブレークダウンされた時点から再開した試合で第5シードのチチパスに4-6 7-5 7-5で逆転勝利をおさめた。

 そのあと世界ランク1位のジョコビッチは数時間後に地元選手のロレンツォ・ソネゴ(イタリア)に対する準決勝に臨み、第2セット6-5からのサービング・フォー・ザ・マッチで迎えた2本のマッチポイントを無駄にしながらも最終的に6-3 6-7(5) 6-2で振りきってこの日の2勝目を挙げた。

 厳しい2試合を乗り越えたジョコビッチはこの日、合計約5時間をコート上で過ごした。

「まず第一に、僕は回復する必要がある。あまり多くの時間はないからね。明日はラファと対戦する訳だから、できれば元気な状態で明日を迎えることができることを願っているよ」とジョコビッチはコメントした。

 一方のナダルはビッグサーバーのライリー・オペルカ(アメリカ)を6-4 6-4で下してオペルカの驚くべきクレーコートでの進撃を終わらせ、コートで過ごす時間を最小限に抑えた。

「今日は自分がやるべきテニスを実行できたよ。2セットで2回ブレークできたのは、僕にとってポジティブなことだ。ここでふたたび決勝の舞台に立てることは多くの意味がある」とナダルは振り返った。彼は1日前、3連敗中だったズベレフをストレートで破っていた。

「ロラン・ギャロスに向けた準備に関して言えば、僕は完了したと考えているんだ。明日の準備についてはまったくできていないけどね。決勝であり重要な試合だから、しっかり戦えるようにしたいと思っているよ」

 両者はこれまでにオープン化以降で最多となる56回対戦しており、ジョコビッチが29勝27敗でリードしている。前回は昨年のフレンチ・オープン決勝で顔を合わせ、ナダルがストレートで勝っている。

「間違いなく、史上最大のライバルだよ。これだけキャリアを重ねてきても、お互いに向き合わなければならないときは気分が高まるんだ。お互いがこのレベルでプレーしている限り、それは続いていくだろうね」とジョコビッチは語った。

「それと僕たちが次世代の猛攻に押し出されなかったことを示すことができて僕は本当にうれしく思っているんだ」

 ローマ決勝で2人が対決するのは6度目となり、ナダルはここまで3勝を挙げている。ナダルはローマで過去9回優勝し、タイトル防衛を目指すジョコビッチは5つのタイトルを獲得している。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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