フォアハンド炸裂のナダルがジョコビッチとのライバル対決を制して10回目の優勝「信じがたいこと」 [イタリア国際]
レフティーから繰り出される重いトップスピン、強烈に弾むループボール。現代テニスでもっともしのぎを削り合った最新のライバル対決で、ナダルのフォアハンドがジョコビッチに襲い掛かった。毎秒平均54回転(ジョコビッチは45回転)のフォアハンドで26本ものウィナーを決めたナダルは、自身の最大の武器を最高の状態に仕上げた。
「ここ数週間でフォアハンドがどんどんよくなっており、自信が付いてきているよ。それは僕にとって大きな進歩であり、非常に重要なショットなんだ。特にクレーコートでは自信になるよ」とナダルは手応えを口にした。
この勝利はまた、ナダルがフレンチ・オープンで圧倒的な優勝候補であることを再認識させるものとなった。彼は2週間後に開幕するロラン・ギャロスで、にわかには信じがたい14回目の栄冠を目指すことになる。
しかしナダルは、少なくともしばらくはローマでの彼の業績に焦点が当たることを望んだ。
「このトロフィーを10回も手にするのは、信じがたいことなんだ」とナダルは語った。彼は18歳だった2005年にフォロ・イタリコで最初のタイトルを獲得したとき、5時間以上続く試合でギジェルモ・コリア(アルゼンチン)に勝ったことを思い出していた。
表彰式のスピーチでナダルは、「16年後の今、決勝でふたたびプレーするのは素晴らしいことだ。上手く説明できないけど、間違いなくここは僕のキャリアの中でもっとも重要な場所のひとつだ」とイタリア語で話した。
第3セットでジョコビッチのエネルギーレベルが落ちたように見えたとき、ナダルがフォアハンドで3本のウィナーを決めて決定的なブレークを果たした。
世界ランク1位のジョコビッチは土曜日に5時間以上もコートで過ごさなければならず、雨で中断していた準々決勝で第5シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)に逆転勝利をおさめたあと、準決勝で地元の声援に後押しされたロレンツォ・ソネゴ(イタリア)に3セットの戦いを強いられた。
一方のナダルは同日に1試合だけプレーし、約1時間半でビッグサーバーのライリー・オペルカ(アメリカ)を退けた。
「彼は何とか僕のサービスゲームをブレークし、よりいいプレーをした。それだけだよ。僕は勝つためのショットを持っていたけど、そうはならなかった。疲れてはいなかったよ。実際にコート上での気分はとてもよかったしね。あと何時間か続けることができたと思うよ」とジョコビッチはコメントした。
ふたりはオープン化以降で最多となる27回目(ローマで9回目も最多)の対戦を終え、29勝28敗とジョコビッチのリードはわずか1つとなった。ローマに限ると6勝3敗(決勝では4勝2敗)と、ナダルが優位を保っている。
1万500席あるセンターコートは新型コロナウイルス(COVID-19)の規制により4分の1しか埋まらなかったが、どんよりとした日曜日に訪れた少数の幸運なファンたちは大きなポイントで「ノール、ノール!」や「カモン、ラファ!」と叫んで大いに盛り上がった。
これに先立ちダブルス決勝も行われ、第2シードのニコラ・メクティッチ/マテ・パビッチ(ともにクロアチア)が第5シードのラジーブ・ラム(アメリカ)/ジョー・ソールズベリー(イギリス)を6-4 7-6(4)で下して今季のマスターズ3勝目を挙げた。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)
男子ダブルス優勝のニコラ・メクティッチ(クロアチア/左)とマテ・パビッチ(クロアチア)(Getty Images)
写真◎Getty Images
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