20歳のコルダがチェッキナートを退けツアー初優勝「夢見ていた瞬間」 [エミリア ロマーニャ・オープン]

写真はBMWオープンでのセバスチャン・コルダ(アメリカ)(Getty Images)

ATPツアー公式戦の「エミリア ロマーニャ・オープン」(ATP250/イタリア・エミリア ロマーニャ州パルマ/5月23~29日/賞金総額54万1800ユーロ/クレーコート)の男子シングルス決勝で、20歳のセバスチャン・コルダ(アメリカ)がワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したマルコ・チェッキナート(イタリア)を6-2 6-4で下してATPツアーでキャリア初のタイトルを獲得した。

 アメリカ人選手がヨーロッパのクレーコート大会で優勝したのは、2010年ベオグラードでのサム・クエリー(アメリカ)以来で11年ぶりとなる。

 大会を通して一度もセットを落としていなかったコルダは決勝でもそれを継続し、75分で世界ランク101位のチェッキナートにストレート勝利をおさめた。2018年フレンチ・オープン準決勝進出者のチェッキナートは2019年2月にATPランキング自己最高16位をマークしたが、そのあと調子を崩してトップ100圏外に落ちていた。

 1月のデルレイビーチで初のツアー決勝進出を果たしたコルダは、ホベルト・ホルカシュ(ポーランド)に敗れて準優勝に終わっていた。

「これは僕が夢見ていた瞬間だよ。本当はデルレイビーチで達成するつもりだったんだ。あのときはちょっとガッカリしたよ」と世界63位のコルダはコメントした

「クレーコートシーズンの出だしがあれほど悪かったにもかかわらず、僕はポジティブな姿勢を崩さなかった。数日休んでバッテリーを充電し、プラハで父やコーチと本当にいいい練習をしたんだ。おかげで僕はよりハングリーになってツアーに戻り、今は本当にいいテニスができているよ」

 元世界2位のペトル・コルダ(チェコ)を父に持つコルダの両親は今でこそフロリダに住んでいるが、2人ともチェコスロバキアにルーツを持つテニス選手だった。彼らはプロ化以降の時代において男子ツアーでシングルスのタイトルを獲得したラマナサン&ラメシュ・クリシュナン(インド)とフィル&テイラー・デント(アメリカ、父フィルはオーストラリア国籍)に続く3組目の親子となった。

 今シーズンのコルダは、クレーコートで一度も2試合続けて勝つことなく今大会を迎えていた。しかし今週の彼はファンたちが地元選手を一方的に応援する場面もありながら、精神的に崩れることがなかった。

 決勝でのコルダはファーストサーブからのポイントで82%を取り、第2セット後半に直面した唯一のブレークポイントを凌いだ。彼は第2セット5-4からの勝負を決めるゲームを含め、試合を通して3度のブレークに成功した。

「今日の僕は本当に厳しい相手と戦い、観客の存在も簡単ではなかった。ファンたちは皆、彼を応援し続けていたからね。でも僕はその状況に対処することができて本当によくやったと思うよ」とコルダは振り返った。

 これに先立ちダブルス決勝も行われ、シモーネ・ボレッリ(イタリア)/マッシモ・ゴンサレス(アルゼンチン)がオリバー・マラック(オーストリア)/アイサムウルハク・クレシー(パキスタン)とのノーシード対決を6-3 6-3で制してコンビ2勝目を挙げた。

 この大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによりフレンチ・オープン(フランス・パリ/クレーコート)の開幕日が1週間遅れた中、ATPツアーのカレンダーに新たに追加されていた。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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