フェデラーとセレナが30代最後のロラン・ギャロスへ

結局のところ四大大会を20回制したフェデラーはレッドクレーのロラン・ギャロスが始まるとき、15ヵ月ぶりのグランドスラム大会に臨むことになるのだ。彼が2020年2月以降の勝利数(3試合で1勝)より、右膝に手術を受けた回数(2回)のほうが多いことも考慮しなければならない。
「フレンチ・オープンで優勝することはないだろうと分かったなら、それは自分のゴールにはなり得ない。少なくとも僕のレベルではね。僕はただ現実的であり、フレンチ・オープンで自分が優勝することはないと理解している。優勝はあり得ると考える人がいたとしたら、その人は間違っているよ」とフェデラーはコメントした。
「もちろん、テニスの世界では非常にクレイジーなことが起こる可能性はある。でもここ50年のフレンチ・オープンで、そろそろ40歳になろうという選手がケガで1年半もプレーせずにいて突然勝つなんてことが起きたことがあったかい? 現時点では自分の限界を自覚しているよ」
彼はまだ40歳にはなっていないが、これは彼の30代最後のフレンチ・オープンとなる。それはまた、同じ1981年生まれのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)にとっても同じである。フェデラーが8月、セレナは9月に40歳となる。ファンたちが彼らがプレーするところを見る機会、そして他の選手たちが胸を借りる機会はますます希少になってくるだろう。
今回のフランス行きについてフェデラーは、主にウインブルドンに向けて準備を整えるためと考えていることを明かしていた。一方のセレナは24回目のグランドスラム制覇を目指すにはクレーコートでの試合数が不足しているため、通常よりも不安が多いことを認めていた。
「今年は例年より少し余計に難しかった」とセレナは打ち明けた。彼女は昨年のフレンチ・オープンで、左アキレス腱のケガにより2回戦の前にリタイアしていた。
しかし今季のクレーコートシーズンをスキップすることを考慮したかと尋ねられたとき、セレナは「一瞬も考えなかったわ」と即答した。
セレナとフェデラーはふたりとも、コートに立つたびに卓越した期待を寄せられている。その期待は部分的には自分の内部から、また部分的には外からやってくる。彼らが自らのテニスのステータスについて通常以上の不確かさを抱えている場合、それは気が遠くなるほど重いものになりかねない。
「ときには自分をさらけ出す必要がある。自分の限界を知っているときには楽しくないこともあるし、僕にとっては常に難しいよ。人々は僕に多くを期待し、僕が自分自身に課す要求は高いからね」とフェデラーは語った。
「それで試合中に“何てことだ!もっともっとうまくプレーできるはずなのに”と感じることがあるんだ。奇妙な感覚だし、ガッカリするよ。でも同時に、それは僕が通り抜けなければならないプロセスなんだ。だからこそ、落ち込んではいられないんだよ」(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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