前年女王シフィオンテクが親友ユバンとの初戦に勝利、20歳の誕生日を祝う [フレンチ・オープン]

写真はイガ・シフィオンテク(ポーランド/奥)とカーヤ・ユバン(スロベニア)(Getty Images)

今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月30日~6月13日/クレーコート)の女子シングルス1回戦で、ディフェンディング・チャンピオンのイガ・シフィオンテク(ポーランド)が前年にタイトルを獲って立ち去ったのと同じ場所から再スタートを切った。

 対戦相手は同じではないが、彼女はロラン・ギャロスのレッドクレーで相手を走らせ一切の妥協を許さず冷酷に畳みかけてストレート勝ちをおさめるという同じ戦い方を披露した。

 フレンチ・オープンの女子シングルスで2007年のジュスティーヌ・エナン(ベルギー)以来のタイトル防衛を目指す挑戦を力強く開始したシフィオンテクの最初の犠牲者となったのは、テニス界での彼女の親友であるカーヤ・ユバン(スロベニア)だった。

 20歳の誕生日にプレーしたシフィオンテクは、ユバンに対する6-0 7-5の勝利を自分にプレゼントした。これは彼女にとって、ロラン・ギャロスでの8試合連続となるストレート勝利だった。彼女はノーシードの19歳として臨んだ昨年の大会で、1セットも落とさず栄冠に輝いた。

 クレーコートでの本番前の練習で、シフィオンテクは高くバウンドするフォアハンドと両手打ちバックハンドをその技術の達人であるラファエル・ナダル(スペイン)を相手にテストした。

 ナダルと同じようにシフィオンテクはこれらの武器を、特に圧倒的強さを見せた第1セットでかなり効果的に使った。第1セットでの彼女は自分のサービスからのポイントを3ポイントしか落とさず、うちひとつは自らのダブルフォールトだった。

 グランドスラム大会のシングルスでチャンピオンとなった初のポーランド人であるシフィオンテクは、ユバンが落ち着いてきた第2セットでは抵抗を受けた。シフィオンテクのスタッツ(統計)ではミスの数以外は落ち込み、彼女は第5ゲームで初めてブレークを許した。

「彼女は私に誕生プレゼントをくれなかったわ」とシフィオンテクは2018年ユースオリンピックの女子ダブルスでともに金メダルを獲得したパートナーについて話した。

 しかしシフィオンテクも相手にプレゼントを贈るようなことはせず、4本目のマッチポイントでドロップショットに素早く反応してネット際で放ったクレスコートのバックハンドで相手のミスを誘って試合に終止符を打った。

 試合が終わるとふたりはネット際で暖かく抱擁を交わし、ふたたび親友同士に戻ってしばらく話し込んだ。それからオンコートインタビューを担当する元ウインブルドン女王のマリオン・バルトリ(フランス)が新型コロナウイルス(COVID-19)の規制で数を減らされた観客たちを促してちょっぴり音痴な『ハッピーバースデー』を歌う中、シフィオンテクはオーケストラの指揮者のように手を振った。

 シフィオンテクは次のラウンドで、シェルビー・ロジャーズ(アメリカ)を6-7(3) 7-6(8) 6-2で破って勝ち上がったレベッカ・ピーターソン(スウェーデン)と対戦する。ピーターソンのパリでの最高成績は、2018年と19年の2回戦進出となっている。(APライター◎ジョン・レスター&サミュエル・ペトレキン/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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