「メディアに対処することで私は強くなった」とセレナ
記者会見でこと細かに質問されることについての不安感がどのようなものかは分かるし、自分も試合後は頻繁にそれを経験したとセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は語った。
「これまで受けてきた記者会見の多くは、そこに足を踏み入れるのは非常に難しかったわ。でもね、そのことが私をより強くしたのよ」と彼女は話した。
セレナはこのコメントを、1回戦に勝ったあとの記者会見の際に口にした。グランドスラム大会を4度制した大坂なおみ(日清食品)がSNSを通して発表した声明文の中でセレナに勝って優勝した2018年USオープンのあとに長い間うつ病に苦しめられていたこと明かして棄権した数時間後、セレナはこの件について質問を受けた。
先週の水曜日に自身のSNSを更新した大坂はフレンチ・オープンの間の間は記者会見をしない意向を表明し、メディアと話すことで疑念を植え付けられる可能性があるためメンタルヘルスの問題を考えての決断なのだと説明した。
「なおみの気持ちは分かるわ」とセレナは理解を示した。
「皆が同じではないのよ。私は頑健だけれど、他の人たちはそうではない。皆がそれぞれ違っており、違ったやり方で物事に対処するの。彼女が望むように、彼女ができる最善の方法で対応してもらうしかないんじゃないかしら。私に言えることはそれだけよ。彼女はできる限りのことをやっているのだと思うわ」
史上最多に並ぶ24回目のグランドスラム制覇を追い求めている39歳のセレナほど、メディアのスポットライトにさらされてきた選手はいない。その光が眩しすぎるようになったときには、助けを求めることが重要だと彼女は提言した。
「何事においてもそうだけど、前に進んで努力しなければならない。『これとこれには助けが必要だ』と言って誰かと話す必要がある。それがWTAの誰でも自分の周りの誰かでも毎週話せる誰かでもいいから、自分の気持ちを伝える相談相手を持つことが非常に重要なのだと思うわ」とセレナは自身の考えを述べた。
「私もそのような立場に置かれてきたの。私は人々と話し、家族や知り合いには話せないことを胸から取り除くための機会を得てきたわ」
1回戦の試合の間にもセレナが不安に駆られた瞬間はあったが、それは迅速に忘れられた。彼女は2つのセットポイントをセーブして、フレンチ・オープン初のナイトセッションでイリナ カメリア・ベグ(ルーマニア)を7-6(6) 6-2で倒した。
セレナはファーストサーブが入らず苦労したが、例えばセットポイントで前方に走ってドライブボレーを叩き込んだときのようにアグレッシブなプレーをした。
「あのファーストセットを落としたくなかった」と彼女は振り返った。
この勝利でセレナは、グランドスラム大会の1回戦での戦績を77勝1敗とした。唯一の黒星は2012年フレンチ・オープンで、ビルジニー・ラザノ(フランス)に喫したものだった。(APライター◎スティーブン・ワイン/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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