「周囲のサポートが本当に大切」好調のカサキナが長期の不調を脱した理由を明かす
「凄くいいプレーができた。何故よかったのかを説明するのは難しい。次の日突然悪くなることもあるから。でも、ボールが高く弾むほうがプレーしやすい。それが今日の試合では重要なポイントだった」
ハードヒッターが多い女子テニス界の中では少数派である、ショットに変化をつけて戦うタイプだ。
「緩急や変化は私の特徴だから、ずっとその練習をしている。多くの女子選手はボールのスピードを変えたり、高低差をつけるとすごく嫌がるから、それが自分の武器になっている。変化をつけることに注力しているけど、相手があまりに強打をしてくると、スピードや高さに変化をつけるのが難しい。それでもこの戦い方は続けていく」
カサキナは2回戦で仲の良いベリンダ・ベンチッチ(スイス)を下し、試合後にハグ(Getty Images)
2018年は自己最高の全仏ベスト8だが、現在のほうが自分のプレーをよりよく理解できている。
「2018年と今は大きな違いがある。多くを学び、経験を積んで、より真剣になった。以前は流れに任せるままにプレーしている部分があったけど、今は自分がなぜ勝てたのか、なぜ負けたのかをしっかり分析している。以前はそこまで考えてなかった。自分の置かれた状況をよく考えてプレーしている」
最近のインタビューでは男性と女性どちらとも恋愛関係を持てることを明かすなど、私生活をかなりオープンにした。
「多くの人が目にすると分かるとき、いろんなことを発信するのは凄く難しいもの。でも、発表できてよかった。ありのままの自分だし、それは変えられない。変えようとするのはむしろ愚かなのかもしれない。私はオープンで、自分に正直でいたい」
トップ10入りを果たした2018年と変わり、2019年は突然勝てなくなりランキング70位に下降した。
「どんなスポーツでも、プロ選手はコートやグラウンドに立つときにハッピーじゃなければ人生もハッピーじゃない。大きな目標があるなら尚更ね。それが2019年の自分だった。コートにいるのが楽しくなかった。コート上で悪いことが人生や考え方にも影響してしまった。ハッピーになるにはほかのことをしなきゃいけないかなと考え始めてもいた。ダメな期間だった。まあまあ長かった。長すぎず、短すぎずかな。でもこれを乗り越えて、自分をよりよく理解できるようになった。それもすごく重要なことだった」
周囲のサポートによって立ち直ることができた。
「周囲にいる人が寄り添ってくれて、凄く助けてくれた。メンタルコーチの助けもあった。プロスポーツはタフなもの。競争がどんどん激しくなり、特に若くしてキャリアの初めに大きな成功をおさめると、もっと勝ちたいと思うけど、難しくなる。少し負け始めると、すべてが悪い方向にいくこともある。そこで、周囲のサポートが本当に大切になる。負けることも当たり前のことと受け入れて、前に進まなければならないと教えてくれる人が必要になる。必要な練習をして、自分のメンタルトレーニングも行い、マイナス思考が頭に入ってこないようにした。ロックダウンの間、2019年終わりから2020年はずっとメンタルトレーニングしていた。誰にとってもタフな時間だったと思うけど、私はいい情報や経験を得て、メンタルトレーニングをして少し強くなれたと思う」
Tik Tokにハマった時期もあった。
「時間がかかるし、頭を空っぽにしないとできないから、大会中は無理。今は時間がないから、よかった。オフになったらまたやるかもしれないけど、やる時間がないほうがいいのかもしれない」
FCバルセロナの大ファンでサッカーも大好きだという。
「小さい頃に兄とよく遊んだ。コンタクトスポーツだからテニス選手にとっては少し危ないかもしれない。今はコートで少し蹴って遊ぶ程度だけど、結構うまいの! カルラ(スアレス ナバロ/スペイン)とアシュリー・バーティ(オーストラリア)も凄く上手。バーティはスポーツなら何でもできるけどね」
2年前に全仏、ウインブルドンでベスト8進出。そこを目指したいが、まずは目の前の試合に集中する。
「2つのグランドスラムで上位に行った経験がいま役に立つはず。勝ち進むことはすべてが新しい経験になるだから。でも私の目の前には3回戦があるから、それが今の最大の目標になる」(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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