シングルスのフランス人選手全滅で、地元観客がフランス人コーチを持つメドベージェフを応援 [フレンチ・オープン]

写真はダニール・メドベージェフ(ロシア)(Getty Images)

今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月30日~6月13日/クレーコート)の大会6日目は、ボトムハーフ(ドローの下半分)の男女シングルス3回戦各8試合などが行われた。

 ダニール・メドベージェフ(ロシア)は今年まで、一度もロラン・ギャロスの1回戦を超えたことがなかった。その彼が4回戦進出という驚きの成果を手にした今、フランスの観客たちに希望を与えている。

 何故なら男女のシングルスにもはやフランス人プレーヤーがひとりもいなくなり、メドベージェフは非常に有能なフランス人コーチの指導を受けている選手だからだ。

 ジル・セルバラ氏は25歳のメドベージェフがATPツアーで「10」のタイトルを獲り、世界ランク2位に上り詰める手助けをした。

 スザンヌ・ランラン・コートの第3試合で第32シードのライリー・オペルカ(アメリカ)を6-4 6-2 6-4で倒したあと、メドベージェフはオンコートインタビューをフランス語で行った。彼はインタビュアーから、「あなたはコーチがフランス人のセルバラ氏だからこそ今大会で大きなサポートを受けることができている」と言われた。

 これを聞いた観客たちからは「ダニール、ダニール」とチャントが起こり、英語とフランス語を流暢に話すメドベージェフは手を振って客たちにお礼を言った。

「決勝まで一緒にいて欲しいよ。今日は僕を応援してくれたありがとう」

 強力なサービスとストロークを擁するメドベージェフは2019年USオープンと今年のオーストラリアン・オープンで準優勝していることからも分かるように、より速いハードコートで実績を残している。これまでクレーコートは彼に合わないと思われていたのだが、人は変わるものだ。

「僕は若いころ、決して魚を食べなかったんだ。大嫌いだったからね。でも僕は今、マグロが大好きだ。だから今年の僕はロラン・ギャロスで楽しんでいる。隠すつもりはないよ」と彼はコメントした。

 第2シードのメドベージェフは次のラウンドで、マルコス・ギロン(アメリカ)を6-1 5-7 6-2 6-2で破って勝ち上がった第22シードのクリスチャン・ガリン(チリ)と対戦する。(APライター◎ジェローム・パグマイア&アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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