「私はどのコートでも関係なく、勝ちたいだけ」アザレンカの主張に対してパブリウチェンコワ [フレンチ・オープン]

写真はアナスタシア・パブリウチェンコワ(ロシア)(Getty Images)

今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月30日~6月13日/クレーコート)の女子シングルス4回戦で、第15シードのビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)を7-5 3-6 6-2で退けた第31シードのアナスタシア・パブリウチェンコワ(ロシア)が試合を振り返った。

「まずは勝ったことを喜びたい。いつも言っているけど、まずは勝つことが大事。どう勝つかはそこまで大事ではない。今日はセットダウンから逆転でき、内容的にも満足している」

 フレンチ・オープンでの準々決勝進出は10年ぶりのこととなる。

 「10年前に自分が感じていたことはあまり覚えていない。今とは全然違う感じ方をしていたと思う。今も喜んではいるけど、冷静に次の試合に集中できている。当時は舞い上がってしまった。感情をコントロールできなかった。当時は第1セット6-1から逆転負けしたけど、いまはしっかり地に足が着いている」

  10年間での成長を実感している。

「10年前に比べて成熟していると思う。成熟した賢いテニスをして、安定感や継続性もあると思う。今は若くないけど、体の調子もいいし楽しんでいる。自分が何をしたいか何をすべきかを理解して、それを実行してその過程を楽しめている」

 一つひとつの積み重ねが大事だという。

「今の気分はいいけど、普通の状態でもある。今日は祝うけど、明日はまた練習して次の試合に備える。やるべきことを一瞬一瞬、1日1日積み重ねていければいい」

 大会への不満を口にしたアザレンカとは違った考え方であると語った。

「2人で選手会にいた経験があって、一緒のテーブルに座っていろいろ大会側と話し合ったこともある。でもテレビ放映権、人気の面で女子が男子に追いつくことはない。そこにエネルギーを費やすのはもったいない気がする。今は自分に集中して試合に勝ちたいし、コート2やフィリップ・シャトリエというのは私にはあまり関係なくて、どのコートでプレーしようと勝ちたいだけ」

 クレーコート、フレンチ・オープンへの思いを語った。

「1セットダウンのとき、自分のシューズを見たら汚れていたから、“クレー大嫌い!”って思った。“パリで私は一体何をしているの?”って疑問にも思った。でも今は勝ったからクレーが大好きだと思うし、喜んでいる。この大会にはいい思い出もあるし、パリを拠点にしていたこともある」

 今大会、ジュニアチャンピオンになった多くの選手が出場。ジュニアからトップへの移行は非常に難しかったと振り返った。

 「他の選手のことは分からないから、自分のことしか言えない。自分の環境、チームメート、周囲の人々、いろんなことが影響する。ジュニアからツアー大会へ移行するのは本当に難しかった。当時は自分にプレッシャーをかけすぎていた。15歳でジュニアナンバーワンになってから、“あと2年でトップ10にならないといけない”と思っていた。チームも自分を信じてくれた。でも、そのプレッシャーに対処する方法が分からず、誰も説明もしてくれない。両肩に大きなものが乗っかっていて、凄く落ち込んだ。最悪の時期だった。試合をするたび、必ず勝たなければいけないと思っていた。17歳でインディアンウェルズで勝ち進んだときも、大変だった。若い選手には周囲の助けが必要で、正しいアプローチで向き合うことが大切だと思う」(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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