元チャンピオンのビーナスとマレーがウインブルドンのワイルドカードを獲得、賞金は減額に

写真はシンチ選手権に向けて会場で練習中のアンディ・マレー(イギリス)(Getty Images)


 6月28日に開幕するグラスコートのグランドスラム大会で、ウインブルドン元チャンピオンのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)とアンディ・マレー(イギリス)が本戦に出場するためのワイルドカード(主催者推薦枠)を受け取った。

 男子と女子シングルス優勝者は、それぞれ240万ドルを獲得することになる。全体的な賞金は2019年から5.2%削減されているが、このシングルス優勝賞金は約28%の減額となる。

 主催者は7月10日と11日に予定されている男子と女子のシングルス決勝では、センターコートの収容人数いっぱいである1万5000人の観客を迎えることを予定している。

 ウインブルドンを5度(2000年~01年、05年、07年~08年)制した実績を持つビーナスは、決勝でガルビネ・ムグルッサ(スペイン)に敗れはしたが2017年にも準優勝していた。トップ100以下に落ちたビーナスは、木曜日に41歳の誕生日を迎える。彼女は6月1日、フレンチ・オープンの1回戦で敗れていた。

 2013年と16年にウインブルドンで優勝したマレーは、火曜日のクイーンズクラブで今季のツアー大会でマッチ2勝目を挙げた。それは34歳のマレーにとって、シングルスでは約3年ぶりのグラスコートでの試合だった。

 元世界ナンバーワンのマレーは股関節の手術を2度受けるなどここ数年ケガに苦しめられており、124位までランキングを落としているところからカムバックを目指している。

 またこの2人以外にも、18歳にして78位に付けているカルロス・アルカラス(スペイン)にもワイルドカードが与えられた。

 賞金総額は4950万ドルを下回り、2019年の前回大会での5210万ドルから減額となった。最大の減額は上記の通り、2019年には330万ドルを受け取っていた男女シングルス優勝者の賞金(厳密には27.7%)だ。減額の理由は観客数の制限、そしてプレーヤーの宿泊施設とウイルス検査のプログラムにかなりの投資が必要だったことだとオールイングランド・クラブは説明した。

「昨年と同じく特にツアープレーヤーにとって厳しいこの年に、分配に当たってフォーカスしたのは大会の早い段階にプレーヤーをサポートすることでした」とクラブは述べた。クラブによればシングルス1回戦の賞金は6.7%増加し、車いすの大会では17%の増額となる。

 イギリス政府が新型コロナウイルス(COVID-19)の規制を緩和したため、大会は観客の受け入れを収容人数の50%からスタートする。

 COVID-19ステイタス証明に関するトライアルの一環として、会場を訪れるファンは予防接種を受けた証明書かラテラルフロー検査(抗原抗体反応の簡易なテスト)の陰性証明のどちらかを携帯していなければならない。また過去6ヵ月に受けたPCR検査の陽性結果から自然免疫を示すことも可能だという。

 会場内を移動中はマスク着用が義務付けられるが、観客席に座っているときは外しても構わない。

 2020年のウインブルドンはパンデミックにより中止となったが、大会が行われなかったのは第二次世界大戦以来のことだった。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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