マレーが1回戦でペールを倒したあとに涙「ふたたび競い合えるのは素晴らしいこと」 [シンチ選手権]

写真はアンディ・マレー(イギリス)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「シンチ選手権」(ATP500/イギリス・ロンドン/6月14~20日/賞金総額142万7455ユーロ/グラスコート)の男子シングルス1回戦で、元世界ナンバーワンのアンディ・マレー(イギリス)がブノワ・ペール(フランス)を6-3 6-2で退け久しぶりの勝利を手に入れた。

 これはマレーにとって、3年ぶりのグラスコートでのシングルスマッチだった。母国のファンから声援を受ける中でアットホームな気分でプレーした彼は手にした3つのブレークポイントをすべてものにし、相手には一度もブレークポイントを与えなかった。

 マレーは2018年のイーストボーン以来、グラスコートではシングルスの試合をプレーしていなかった。彼がこれ以前にプレーした最後の試合はアンドレイ・ルブレフ(ロシア)に敗れた3月のロッテルダム2回戦で、その大会前に勝ち星を挙げたのは2セットダウンから巻き返して日本の西岡良仁(ミキハウス)に競り勝った2020年USオープン1回戦まで遡る。

 股関節の手術を2度受けるなどここ数年ケガに苦しめられてきたマレーはペールを倒したあとに感極まり、話す前に落ち着きを取り戻すため少し時間を取らなければならなかった。

「申し訳ない。試合をプレーすることがすべてのハードワークを積む理由だ。ここ数年、僕は自分がやりたいと思っていたほど頻繁に試合に出ることができないでいた。コートに出て、ふたたび競い合うことができるのは本当に素晴らしいことだ」

 ここ2シーズンの大部分で戦列を離れていたマレーは、14週間前のロッテルダムを最後に公式戦でプレーしていなかった。彼は2017年ウインブルドンも含め、ペールとの過去2対戦に勝っていた。

 34歳で地元イギリスのスターであるマレーは、このクイーンズクラブの大会で最多となる5度の優勝(2009年、11年、13年、15年~16年)を遂げている。彼のほかにもこの日勝った第6シードのダニエル・エバンズ(イギリス)と前日にプレーしたキャメロン・ノリー(イギリス)とワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したジャック・ドレイパー(イギリス)が1回戦で勝利をおさめており、クイーンズクラブで4人のイギリス人選手がシングルスに勝ったのはマレーが大会デビューした2005年以来のことだ。その年にはマレー以外にティム・ヘンマン、ジェイミー・デルガド、グレッグ・ルゼツキーが勝ち上がっていた。

 2週間後に開幕するウインブルドンで2度の優勝経験を持つマレーは次のラウンドで、ステファノ・トラバリア(イタリア)との同胞対決を7-6(5) 7-6(4)で制した第1シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)と対戦する。ふたりが同大会に出場したのは、これが初めてのことだった。

 そのほかの試合では第2シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)、第4シードのアレックス・デミノー(オーストラリア)、第8シードのファビオ・フォニーニ(イタリア)、前週のシュツットガルトで優勝したばかりのマリン・チリッチ(クロアチア)、アレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)、フランシス・ティアフォー(アメリカ)が2回戦に駒を進めた。

 昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、開催中止となっていた。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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