ベレッティーニが1985年のベッカーに続いて初出場でクイーンズクラブのタイトルを獲得 [シンチ選手権]
ATPツアー公式戦の「シンチ選手権」(ATP500/イギリス・ロンドン/6月14~20日/賞金総額142万7455ユーロ/グラスコート)の男子シングルス決勝でビッグサーバーのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)はこの大会で初めてセットを落としたが、最終的に地元選手のキャメロン・ノリー(イギリス)を6-4 6-7(5) 6-3で倒してチャンピオンに輝いた。
クイーンズクラブの大会で初出場の選手が優勝を飾ったのは、1985年のボリス・ベッカー(ドイツ)以来のこととなる。ベッカーはその同じ年、ウインブルドンも制している。
「本当に信じられないような1週間だったよ。それにボリス・ベッカーの名前と僕の名前が並ぶと考えると本当にクレイジーだ」とベレッティーニはコメントした。
「子供の頃からこの大会を見てきたんだ。ここで優勝できるなんて夢の実現だよ」
ノリーにとってカギだったのは自分のサービスゲームをキープし、それから時速225kmにも至るベレッティーニのパワフルなサービスを1度か2度のチャンスで何とかすることを期待するかタイブレークにかけるかだった。
第1セットで2本のダブルフォールトによりベレッティーニにブレークを許してしまったことは、ノリーにとって大きな失敗だった。そのあとベレッティーニはリタ―ン不可能なサービスを軸にキープを続け、そのままセットを取った。
第2セットでふたつのブレークポイントを凌いで5-4と先行したノリーは6-5からのベレッティーニのサービスゲームで15-30として突破口が見えたかと思われたが、リードは一瞬のうちに消滅してしまった。
しかしながらタイブレークではプランが完璧に機能し、ミニブレークに成功したノリーが3つ目のセットポイントをものにして最終セットに持ち込んだ。
最終セットでは2-3からノリーがさらに2つのブレークポイントを凌いだが次のサービスゲームで40-0のリードを棒に振ってしまい、ベレッティーニにサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップをプレゼントしてしまった。
ベレッティーニは今週を通して自分のサービスゲームをすべてキープしており、それを46回連続に更新することでキャリア最大のタイトルを獲得した。彼はATPツアー5勝目を挙げるとともに、クイーンズクラブで栄冠に輝いた初のイタリア人プレーヤーとなった。
南アフリカで生まれてニュージーランドで育ったノリーは、アメリカの大学でプレーしたあとにイギリスを代表することを選んでいた。同大会でイギリス人選手が決勝に進出したのは、2016年大会覇者のアンディ・マレー(イギリス)以来だった。
このあとにはダブルスの試合が行われ、決勝は第4シードのピエール ユーグ・エルベール/ニコラ・マウ(ともにフランス)が同日に準決勝を勝ち上がったライリー・オペルカ(アメリカ)/ジョン・ピアース(オーストラリア)を6-4 7-5で下してフレンチ・オープンに続く今季2勝目を挙げた。
昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、開催中止となっていた。(C)AP(テニスマガジン)
(右から)男子ダブルス優勝のニコラ・マウ(フランス)、ピエール ユーグ・エルベール(フランス)、準優勝のライリー・オペルカ(アメリカ)、ジョン・ピアース(オーストラリア)(Getty Images)
写真◎Getty Images
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