ジョコビッチがPTPAの近況に言及「選手会についてセレナと話した」
ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は彼とバセック・ポスピショル(カナダ)が情報に対する「より多くのアクセスと透明性」とテニスの収入面で選手への割り当てを増やすために発言権を得るために創設した選手会について、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を含む女子のトッププロたちと話をしたと語った。
「プレーヤーは本来そうであるべき形、受けるに値するやり方で自分たちを代表する組織を擁していないことに気付き始めている」とジョコビッチはウインブルドン開幕の3日前にプロフェッショナルテニスプレーヤー協会(Professional Tennis Players Association=PTPA)について話すビデオ会見の際に述べた。
「我々が得ているわずかな情報で満足しようとする以上のことをやる必要があるということについて、多くのプレーヤーたちが理解し始めていると僕は感じている」
テニスプレーヤーは北米のチームスポーツのアスリートのように組合を持たず、その代りに各選手が独立した個人事業主と見なされている。
「テニスは遥かに遅れていると僕は思う。僕たちは2021年におり、これは僕らが生きる世界において我々のスポーツにとって必要な基盤となるものなんだ。不満を持っていたり運に恵まれず苦労しているプレーヤーがたくさんいると思うが、そうあるべきではないと思うよ」とポスピショルは自身の考えを話した。
世界ランク1位のジョコビッチと2014年ウインブルドンのダブルス優勝者で現在シングルスで66位のポスピショルは、昨年8月のUSオープン前にこのPTPAを立ち上げた。今週になってグループは事務局長にアダム・ラリー氏を任命し、顧問委員会を設置したと発表した。彼らはまた、他の選手協会(NBA、NHL、野球のメジャーリーグなど)からの公的支援も受けることになった。
男子プロテニス協会(ATP)は水曜日、『別個のプレーヤー統一体』と呼ばれるもの生み出そうとしていることを批判する声明文を出した。彼らはその中で、そのような行為は「明らかな重複を生み出し、選手を分割し、スポーツをさらに分断してしまう」と非難した。
それに対してジョコビッチとポスピショルおよびラリー氏は、揃ってATPと一緒に取り組もうとしていると主張した。
「ある時点で彼ら(ATP)は、これほど多くのプレーヤーが集っているときには我々とともに協力してやっていくことが重要なのだと気付くだろうと僕は思う。そしてある時点で我々が行き止まりに至ったなら、次の行動や次の戦略を見つけ出さなければならない」とポスピショルはコメントした。
「でも我々は、間もなく彼らは我々とコミュニケーションを取り始めるだろうと確信している」
グループには男子ツアー(ATP)の70%以上を含む「数百人の選手」がメンバーであるとラリー氏は話したが、WTAツアーの女子選手たちがすでに何人か参加しているかについては言及しなかった。
ジョコビッチはPTPAについて、2週間前に終わったフレンチ・オープンの間にグランドスラム大会優勝歴23回のセレナと話したと明かした。
「そして僕は、ロンドンにいる間にふたたび彼女と話す予定でいる」
彼はまた、レディットの創設者のひとりとして知られるセレナの夫で「我々と分かち合いたいアイデアを持つ非常に成功をおさめた起業家」であるアレクシス・オハニアン氏も交えて話をするのだと言った。
かつてジョコビッチはATP選手評議会の会長を務め、ポスピショルはそのメンバーだった。
「従来の慣習的なやり方ではすでにトライした。そして我々は今、型破りな方法でトライしようとしているんだ」とジョコビッチは説明した。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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