2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」（イギリス・ロンドン／本戦6月28日～7月11日／グラスコート）の女子シングルス1回戦で第11シードのガルビネ・ムグルッサ（スペイン）がフィオナ・フェロ（フランス）を6-0 6-1で下し、ふたたび観客の前でプレーできたことを喜んだ。

 「直前までテレビでコートの様子を見ていたの。雨が降っていたのにたくさんのお客さんが待ってくれていた。凄くうれしくて感情的になった。今年これまでたくさん試合をしてきたし、大会の決勝もあったけど、すべて空っぽのスタジアムだった。残念だけど仕方ないし、これを乗り越えなきゃいけないと思っていた。今日、コートに立ったときにみんなが拍手で迎えてくれて、これこそが私が求めていたことだと分かったの。この感情、エネルギー！　私は見てくれる人たちのためにプレーしている。それが大きな力、モティベーションになってきた。舞台が大きくなればなるほど、私は大きな力を発揮できる」

　相手は2018年のフレンチ・オープンで一度だけ対戦したことのあるフェロだった。

「フレンチ・オープンで対戦したときは難しい試合だったから、バトルになるのは分かっていた。グラスコートではさらに難しい要素もあるけど、最初のボールからポイントを支配しようとした。相手はベストの日ではなかったと思うけど、自分の調子はよかった」

　今大会の直前にベルリンで行われた「bett1オープン」でベスト8に進み、いい感触を得ていた。

 「今は1日1日自分の調子がどうかを感じるようにしている。今日は体の調子が凄くよかった。でも、今はもう次の試合のことを考え始めている。ベルリンでの試合経験はすごく助けになっている」

　以前はプレッシャーを感じながらプレーしていたが、今はリラックスできているという。

「プレッシャーはもう感じない。何かを証明しなければいけないとはもう感じていない。この大会では過去にいいプレーをしてきた。今はとにかくここに来られてうれしい。ウインブルドンに来ると、どこまで勝ち上がれるかなとは考えなくなった。世界に自分の実力を証明しなければならない時期はもう過去のこと。今は思い切ってプレーできている」

　ムグルッサは水曜日行われる2回戦では予選勝者のレスリー・パッティナマ ケルクホーフ（オランダ）と対戦する。（テニスマガジン）