チチパスを倒したティアフォーが友人スティーブンスの勝利を喜ぶ「2人とも勝てて凄くうれしい」 [ウインブルドン]
今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)が開幕し、初日は男女のシングルス1回戦が行われた。
フランシス・ティアフォー(アメリカ)は友人のスローン・スティーブンス(アメリカ)がセンターコートで2度ウィンブルドンを制したペトラ・クビトバ(チェコ)に勝つだろうということについて、まったく疑っていなかった。
ともに世界ランク50位以下にいる2人のアメリカ人プレーヤーは月曜日、シード選手に対するそれぞれの1回戦の試合前に偶然鉢合わせた。
「彼女がやってきて、僕は練習に向かうところだった。僕はただ、『スローン、僕は君が今日勝つほうに賭けてるから。心配さえしてないよ』って言ったのさ」と1番コートでフレンチ・オープン準優勝者のステファノス・チチパス(ギリシャ)と対戦することになっていたティアフォーは話した。
「彼女は大笑いして、『あなたも自分に同じことをしたほうがいいわ』と言ってきたから、僕は『心配には及ばないよ』と返したよ」
確かに、心配することは何もなかった。彼らはともに、説得力のある勝利をおさめたのだ。スティーブンスが第10シードのクビトバを6-3 6-4で退け、ティアフォーは第3シードのチチパスを6-4 6-4 6-3で倒した。
「コートから出てやった最初のことは、彼女が勝ったか見ることだった。彼女が勝ったのを知って、僕はより一層幸せになったよ。2人とも勝てて凄くうれしいよ」と23歳のティアフォーはコメントした。
スティーブンスが2017年USオープン覇者で2018年フレンチ・オープン準優勝者なのだということを、人々は忘れているのだと彼は主張した。彼女のウインブルドンでの最高成績は、2013年の準々決勝進出となっている。
「もし万全な状態なら、彼女はツアー最高の女子選手のひとりだ。これは気の利いた台詞なんかじゃなく、事実だよ」とティアフォーはスティーブンスについて評価した。彼女は元トップ5プレーヤーだが、現在は73位と低迷している。
28歳のスティーブンスは、ロラン・ギャロスで4回戦に進出したことで自信が膨らんだのだと明かした。
「もちろん私が望んでいた形では終わらなかったけど、フレンチ・オープンでの私は自分らしいプレーができていると感じていたの」とスティーブンスは振り返った。
「私はとにかくその勢いを維持させようとしており、もう一度いい状態をコンスタントに維持できるようにしたいと思っているわ」
チチパスに対する壮観な試合のあと、ティアフォーはかなり勢いをつけたはずだ。それは彼にとって、意欲とハングリー精神のテストでもあった。
ネットに出ることでプレッシャーをかけたティアフォーは、ネットプレーで24ポイントを奪った。チチパスは試合後にその戦略がティアフォーに“心理的リード”を与えたと認め、モティベーションの欠如はバブル生活が続いたことで蓄積した疲労によるものだと漏らした。
自分のアドバンテージは、試合前から始まっていたのだとティアフォーは考えている。
「今朝起きたとき、『僕はステファノスを倒すぞ』と思ったんだ」と彼はビデオ記者会見の際に語った。
ティアフォーはシャツの袖をまくり上げたり胸を叩いたりボウルから食べるような仕草をしたりと、コートで勝利を祝うジェスチャーを念入りに考案していた。
「試合に勝てば勝つほど、上手くやればやるほど、食べ物もよりよくなっていくんだ。僕は食べてやろうとしてコートに出ていっているのさ。ステーキのディナーは無料じゃない。素敵なディナーは自動的に出てきやしない。自分がいいパフォーマンスをして勝たななければならないんだ」と彼は説明した。(C)AP(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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