ジャバーが2017年優勝者ムグルッサを倒して4回戦へ「大きな意味を持つこと」 [ウインブルドン]

写真は勝利を決めた瞬間のオンス・ジャバー(チュニジア)(Getty Images)


 2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の女子シングルス3回戦で大きな勝利まであと1ポイントと迫ったオンス・ジャバー(チュニジア)はセンターコートの後方に屈み込んで嘔吐し、それから戻って仕事を終わらせた。

 1セットダウンから挽回した第21シードのジャバーは第11シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)を5-7 6-3 6-2で倒し、ウインブルドンでは初となるベスト16進出を決めた。

 この対決の詳細は、間違いなく語る価値がある。というのもこれは、凡庸からは程遠い試合だったからだ。ポール廻しのウィナーあり、16ポイント連取あり、29のブレークチャンスあり。そしてジャバーが胃の問題から、ロイヤルボックスの下に屈んで吐く場面さえあった。

 最初のマッチポイント前に吐いたジャバーは、それからふたつ目のマッチポイントをフォアハンドのウイナーで仕留めると芝の上に仰向けに倒れた。
 
 とはいえここでは、より大きな展望に気持ちを集中させよう。この勝利で26歳のジャバーは、ウインブルドンで4回戦に進出した初のアラブ人女性となった。ジャバーはグラスコートのバーミンガムで優勝しており、この快挙は彼女がWTAツアーでタイトルを獲得した初のアラブ人となった2週間後に実現した。
 
「多くのアラブの人々が私を観てサポートしてくれているから、これは大きな意味を持つことだわ。様々な人々から多くのメッセージを受け取った。でも私は旅をここで終えたくない。私は歩み続けたいの」とジャバーはコメントした。
 
「私は驚くべきことをやっている。コートでますます自信をつけつつあるわ。多くの若い世代が観てくれているといいわね。観ている人たちにインスピレーションを与えたいの」

 昨年のオーストラリアン・オープンで8強入りしたことがあったにもかかわらず、これは自分のキャリアで最高の日だとジャバーは語った。

 オールイングランド・クラブでのジャバーはこれまで2回戦を超えたことがなかったが、元世界ナンバーワンのムグルッサは2016年フレンチ・オープンと2017年ウインブルドンで優勝を飾っていた。

 ムグルッサは試合を通してブレークポイントを24回凌いだが、それでも合計44本のウィナーを決めた強打のジャバーに対して自分のサービスゲームを5度落とした。

 ジャバーは次のラウンドで、イリナ カメリア・ベグ(ルーマニア)を6-1 6-0で破って勝ち上がった第7シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)に対してキャリア2度目のグランドスラム大会準々決勝進出を目指すことになる。
 
 そしてそれができない理由はない。ジャバーはすでに、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)やムグルッサという何度もグランドスラム大会を制した選手に勝っているのだ。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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